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横河ソリューションサービスとNTT Com、「AIプラント運転支援ソリューション」の実証実験に成功
JNC石化の化学プラントに導入
2021年10月11日 09:00
横河ソリューションサービス株式会社とNTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は7日、プラント運転をAIによって支援する「AIプラント運転支援ソリューション」をJNC石油化学株式会社市原製造所(JNC石化)に導入し、実証実験に成功したと発表した。
AIプラント運転支援ソリューションは、自動制御が困難なため手動オペレーションが不可欠なプラント運転を、AIによって支援するもの。プラントに蓄積されたプロセスデータと現場の運転員の知見をもとに、手動オペレーションを模倣学習でモデル化し、稼働中のプロセスデータにそのモデルを適用することで、AIが運転員に対して、手動オペレーションの推奨値をガイダンス表示する。あわせて、その根拠も提示されるという。
開発にあたっては、横河ソリューションサービスが提供するプラント制御改善コンサルティングのノウハウ、NTT Comが提供するAI開発ツール「Node-AI」により作成されたAIモデル、NTT Comの「アトリビューションマップ作成技術」(提示した推奨値の根拠となるプロセスデータと、その影響の強さを示す技術)による要因可視化を組み合わせ実現した。
今回の実証実験では、運転員による手動オペレーションが不可欠なプラント運転において、運転中のプロセスデータからAIが提示した推奨値を運転員にガイダンス表示し、手動オペレーションに反映することで、さまざまな経験年数の運転員への支援に対する、このソリューションの実用性を複数の観点から評価した。
まず、AIモデルの精度を評価するMAE(Mean Absolute Error)では、実用化に向けてあらかじめ設定した目標を超えたほか、運転員の定性的な評価についても支持を受け、高い実用性が確認されたという。
また、「提示されるAI推奨値の信頼性」については、AIが提示する推奨値が実際の運転員の操作と高い精度で一致。「ユーザーインターフェイスの視認性・判読性」については、なぜそのような値をAIが推奨したのか要因が示されるため理解がしやすく、実際の要因についても納得できるとした。
そして最後の「ソリューションの有効性」については、オペレーションの改善活動や技能伝承の効率化にもつながる可能性があり、将来的には自動化を期待できると感じたとしている。
両社は、今回の実験結果をもとにソリューションのさらなる改善に取り組み、2021年度中に商用化する予定。また、化学プラント以外の業界への展開も検討するとしている。