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凸版印刷、ビジネス向けメタバースサービス基盤「MiraVerse」を4月から提供

 凸版印刷株式会社は21日、現実空間を仮想空間へ正確に取り込み、その中で商談や協調作業などのビジネスコミュニケーションが可能なメタバースサービス基盤「MiraVerse(ミラバース)」を、2022年4月に提供開始すると発表した。

 MiraVerseは、メタバース内に現実の色や質感を再現する真正性の追求と共に、ビジネス利用に必要となるデータ管理機能や改ざん対策に加え、アバターの本人認証と安全なコミュニケーションをワンストップで提供するサービス基盤。

 建物や製品・アートや自然など、あらゆるものを設計図や3D計測・色彩計測などを用いて正確に3Dデータ化し、4K/8Kの高精細・低遅延なオリジナルレンダリングエンジンとの組み合わせにより、真正性を追求したメタバース空間の構築を可能にする。さらにインテリアなどでは、質感計測技術を用いることで風合いまでも再現し、あたかもその場にいるかのような高い臨場感を実現するとしている。

 また、現実世界をそのまま取り込むだけでなく、アイデアや図面段階の試作品など実在していないものも含めて、さまざまなデータを自在に組み合わせて新しいモノや空間を作り出し、その中で相互コミュニケーションをできる。

「MiraVerse」の展開イメージ

 MiraVerseで活用される全ての情報は、セキュリティ性を担保したクラウド上で一元管理されるため、ビジネス用途でも活用が可能。さらに、MiraVerseの機能はオープンAPIとしても提供されるため、外部のシステムと連携したサービスの構築も容易に行えるとしている。

 メタバース内で、ユーザー自身の分身となるアバターについては、凸版印刷が提供するアバター生成管理基盤「AVATECT(アバテクト)」と連携。アバターの本人確認や、アバターとメタバース間のセキュア連携機能を提供し、なりすましを防止するとともに、信頼できる相手との安全・安心なコミュニケーションを実現する。

 MiraVerseの価格は、初期データ登録料が500万円から、スペース利用料が月額50万円から。凸版印刷では、企業プロモーション/安全教育/ミュージアム/防災訓練など、さまざまな企業や団体にMiraVerseの提供を進め、2025年度では関連受注を含め100億円の売り上げを目指す。