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IIJ、エッジコンピューティング環境のショーケースを白井ワイヤレスキャンパスに開設

 株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)は2日、最新の無線通信技術を体感できる実験施設として2020年11月から運用している白井ワイヤレスキャンパスに、モバイル、クラウド、マイクロデータセンター(MDC)など、IIJの各種サービスを組み合わせたエッジコンピューティング環境を体感できるショーケースを新設し、3月15日から顧客に公開すると発表した。

 ショーケースでは、エッジコンピューティングの特徴の一つであるリアルタイム処理、5Gによる低遅延通信などをユースケースとして体験できる。デモや展示を通じて、エッジコンピューティングの利用シーンや具体的な導入要件のイメージをつかむことができる。

 ショーケースでは、防犯のユースケースとして、データセンターの来訪者を検知するデモを紹介する。撮影した映像データを、データセンター内に設置したエッジ機器と、クラウド上のIIJ IoTプラットフォームのそれぞれで解析を行い、解析結果を比較する。これにより、エッジ機器が、クラウドと比較してリアルタイムに来訪者を検知できることを体感できる。こうしたエッジコンピューティングのリアルタイム処理の有効性や、エッジコンピューティングとクラウドで分散処理をさせる仕組みを紹介する。

 物品搬送の無人化のユースケースとしては、AGV(無線搬送車)でのデモを紹介する。ローカル5GとWi-Fiなど他の無線サービスとを比較しながら、エッジコンピューティングでAGVの走行制御を行い、クラウド上でデータの可視化および一元管理を行う分散処理を実現。ローカル5Gとエッジコンピューティングを組み合わせることにより、高速、大容量、低遅延の通信を実現し、スムーズにAGVが走行できることを体験できる。

 また、遠隔地や通信環境が整っていない状況での、自動オペレーション・監視のデモを紹介する。白井データセンターキャンパスを遠隔地と見立て、同施設内に設置しているマイクロデータセンター(MDC)で、ラック内のLEDランプや温度などを監視し、異常検知後にMDC内で自動オペレーションを実施するデモが見られる。通信環境が整っていない地域でも、MDCをエッジコンピューティング基盤として活用し、従来のDCやクラウドと同じ機能や品質で運用できることを体感できる。

 IIJでは今後、エッジコンピューティングのプラットフォームとなるサービスやソリューションの開発も予定しており、これにより顧客がエッジコンピューティングの導入や運用をより素早く、簡単に行えるよう支援していくとしている。