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NTT Com、運用一体型のIoTプラットフォームを月額定額制で提供するエッジコンピューティングサービス「SDPF Edge」

オンライン説明会レポート

 NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は18日、データ利活用プラットフォーム「Smart Data Platform(SDPF)」において、運用一体型の月額定額制エッジコンピューティングサービス「SDPF Edge」を提供開始すると発表。同日には、NTT ComのIoT戦略や新サービスの概要についてオンライン説明会が行われた。

 「SDPF Edge」は、SDPFサービスを中心としたアプリケーションをオンプレミス環境で実行するためのエッジコンピューティングサービス。エッジ活用に最適なSDPFのサービスや顧客のアプリをFIC(Flexible InterConnect)を通じたセキュアな環境で、「SDPF Edgeコントローラ」を通じて遠隔での配信や一元管理が可能となる。また、エッジデバイス、ネットワーク、アプリケーションの一元的保守を含むエンドトゥエンドマネージメントおよびワンストップサービスを提供する。

「SDPF Edge」のサービス概要

 「SDPF Edge」のリリースにあたり、NTT Com 5G・IoTタスクフォース タスクフォース長の吉宮秀幸氏は、同社のIoT戦略について、「当社では事業ビジョンとして『Re-connect X』を掲げ、社会と未来をつなぐ『Smart World』の実現を目指している。そのカギとなるのが、データと価値をつなぐプラットフォームの『SDPF』であり、企業に点在するデータを1つのプラットフォーム上で収集、蓄積、分析する様々な商材をワンストップで提供している。IoTの取り組みとしては、『SDPF』の各商材群のうち、IoTに関する機能を顧客の要望に応じて組み合わせセキュアかつマネージドでソリューション提供している。今回、IoTの新たなニーズであるエッジコンピューティングに対応するべく『SDPF Edge』をラインアップに追加する。また今後は、NTTドコモとNTTコムウェアとの連携により、5GおよびIoTサービスをさらに強化していく」と述べた。

NTTコミュニケーションズ 5G・IoTタスクフォース タスクフォース長の吉宮秀幸氏

 続いて、エッジコンピューティングの市場概況について、NTT Com エバンジェリストの林雅之氏が解説。「エッジコンピューティングは、ネットワークにつながるIoT機器や、データを収集する現場に近いエリアのネットワークにサーバーを分散配置し、大容量のデータを低遅延で処理する分散処理型のコンピューティングモデル。近年のデータ量の増大やリアルタイム処理の需要、新型コロナウイルスに起因する社会的背景の影響もあり、エッジコンピューティング市場は今後、世界的に大きく成長することが見込まれている。とくに、AIやIoTなどの進展により、デジタルデータ流通量が加速度的に増大しており、データをクラウドで処理するだけでなく、現場に近いエリアで処理するエッジコンピューティングのニーズが高まっている」とした。

NTTコミュニケーションズ エバンジェリストの林雅之氏

 今回、NTT Comが提供するエッジコンピューティングサービス「SDPF Edge」は、「SDPF」における新たなIoTプラットフォームを担うもので、従来はデバイスのセンサーやカメラなどからWAN経由で行っていたデータ収集・制御などをオンプレミスで実施することで、マネージドIoTのサービス強化を実現する。

 NTT Com データプラットフォームサービス部 担当課長の竹中康博氏は、「エッジコンピューティングの利用に際しては、煩雑な設定が必要となる初期導入時の問題や、オンプレミスの様々な環境に分散された複数のエッジ端末を管理する運用時の課題、またトラブル時のサポート体制にも課題を抱えている。『SDPF Edge』では、サービス共通のハードウェア/ソフトウェア基盤による一元管理、エッジからクラウドまでのフルスタック提案による環境構築の容易さ、ハードウェア本体代金を含めた月額定額制の採用といった特徴より、これらの課題を解決することができる」としている。

NTTコミュニケーションズ データプラットフォームサービス部 担当課長の竹中康博氏

 具体的には、SDPFサービスをはじめとする様々なアプリケーションをオンプレミス環境で実行することで、ネットワークを介することにともなう遅延がなくなるため、データをよりリアルタイムに処理することができる。その結果、今までは難しかった即時の制御や判断などが実現可能となる。また、様々なセンサーから集めたデータをエッジコンピューティングで一次処理を実施することで、データ通信量の最適化を図り、通信コストを抑えることができる。さらに、SDPF Edgeコントローラにより、エッジアプリのカタログ化やバージョン管理、また各SDPF Edgeへの配信(ゼロタッチプロビジョニング)や各種監視も可能となる。

「SDPF Edge」の特徴

 サポート体制については、不具合時の現地駆け付けによるサーバー交換や、オンプレミスサーバーを運用する際に煩雑となるセキュリティ対策や遠隔による復旧作業などの運用業務をNTT Comが対応するため、運用ノウハウや人材に不安をもつ顧客でも安心して導入することができる。

 導入にあたっては、月額定額制の採用により、あらかじめサーバーを一括購入する必要がないため、初期投資を抑えることができ、自社のビジネス展開に応じて計画的な投資が可能となる。CPU数、メモリ容量、ストレージ容量に応じ3つのプランを用意しており、月額料金は、プラン1(ラックマウント/32コア/メモリ128GB/SSD 3.84TB)が13万5960円、プラン2(ラックマウント/16コア/メモリ64GB/SSD 0.96TB)が9万310円、プラン3(ボックス/8コア/メモリ32GB/HDD 1TB)が5万2470円。

「SDPF Edge」のサービススペックおよび料金