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日立システムズやキヤノンITSなど6社、製薬・医療機器メーカー向けのAWS利用リファレンスを更新

 株式会社日立システムズ、キヤノンITソリューションズ株式会社(キヤノンITS)、株式会社EPクロア、株式会社JSOL、ビジネスエンジニアリング株式会社(B-EN-G)、フィラーシステムズ株式会社の6社は17日、製薬・医療機器メーカーに向けて、Amazon Web Services(AWS)などを情報システムとして活用するために注意すべき項目などをまとめたリファレンス文書(利用手引き)を、共同で更新したと発表した。同日より、顧客に対して無償で提供開始する。

 製薬・医療機器業界特有のシステム利用のためのコンピュータ化システムバリデーション(Computerized System Validation:CSV)は、要件や監査事項が複雑であり、AWS環境の活用方法も含めて整理する必要がある。このためAWSパートナーベンダーでは、CSV適用にあたって考慮すべき点をまとめ、「医薬品医療機器等法対象企業様向けAWS利用リファレンス(以下、AWS CSV利用リファレンス)」、「AWS供給者アセスメント・監査適用リファレンス」の2文書を作成して、2016年1月から提供してきた。

 今回は、それ以降の状況の変化などを踏まえてリファレンス文書を更新したもので、長年にわたってCSV対象システムやAWSにおける環境構築に携わってきたキヤノンITS、EPクロアが新たに加わったことで、より実践的なリファレンスになったとのこと。

 そのうち「AWS CSV利用リファレンス」の新版である「同 Ver2」では、厚生労働省の「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」に従い、自社のコンピュータ化システム管理規定に基づいて、システムの検証を必要とする企業向けに、AWS環境における要件整理の考え方や回答を網羅しているという。

 なお、このリファレンスでは、AWSの担当範囲、システムインテグレーターや利用企業の担当範囲を明確化し、CSV適用にあたっての考慮点のポイントを解説している。また、2021年3月にAWSから公開されたホワイトペーパー「GxP関連システムにおけるAWS製品の使用」を考慮しているとのこと。

 一方の「AWS供給者アセスメント・監査適用リファレンス」は、AWS環境におけるサプライヤーチェックリストの考慮点と要点を整理したもので、AWSの担当範囲におけるインフラストラクチャー・サービス供給者としての適格性を整理している。

 なお6社では、これらのリファレンスを提供することにより、AWSの活用をさらに促進するとともに、AWSを活用した製薬・医療機器企業向けITソリューションの拡販を図る考えだ。