ニュース
日本マイクロソフトが教育機関向けのOSやデバイスを紹介、教育環境を向上させる新機能も
2021年11月26日 11:25
日本マイクロソフト株式会社は25日、教育分野における同社の取り組みについて説明会を開催。教育機関向けのライセンスオプション「Microsoft 365 A1 for Devices」や、教育機関向けのOS「Windows 11 SE」、また同OSを搭載した教育機関限定用デバイス「Surface Laptop SE」を紹介した。
Microsoft 365 A1 for Devicesは、端末にひも付いた買い切りライセンス。国内でGIGAスクールPC用ライセンスの「GIGA Promo」として展開していたものを、グローバルで提供することになった。価格は1台につき4128円で、端末が使える間は最長6年間利用できる。「Intune for Education」による端末管理が可能で、「Office 365 Education」や「Minecraft: Education Edition」も含まれている。
日本マイクロソフト モダンワーク&セキュリティビジネス本部 本部長の山崎善寛氏は、「特に今回はMinecraft: Education Editionを入れることにこだわった。プログラミングを学ぶために使いたいというニーズが高かったためだ」と説明する。
Microsoft Teamsには、児童や生徒の感情を把握する「リフレクト」という新アプリが提供される。「アンケートのように、日々の気分が入力できるようになっている。簡単に投票できるので、小学生低学年でも利用が可能だ」と山崎氏。これでクラス全体や個人の感情の揺らぎをデータで可視化し、不安に感じている個人を見つけることも可能になるという。
AIを活用した音読指導ツール「Reading Progress」もTeamsに組み込んで利用できる。各自音読した内容を録画して提出すると、AIが発音をチェックし、採点を提示するツールだ。すでに足立学園中学高等学校では、英語教育に同ツールを活用しているという。
一方のWindows 11 SEは、コスト効率の高いデバイスを求める教育機関に向けたクラウドファースト型のOSで、デバイスにプリインストールして提供する。主に小中学校の児童・生徒を対象としたOSで、SmartScreen機能によってフィッシングサイトや安全でないダウンロードから保護することが可能。低スペックでも快適にアプリが動作するよう設計されており、厳選された教育機関専用アプリのみを展開する。
教育機関向けのOSには、Windows 10およびWindows 11 Pro Education / EducationといったOSも存在するが、これらはコーディングやグラフィックデザインなどのよりハイスペックな用途にも対応するため、「高校から大学まで、高等教育機関での利用にも適している」と山崎氏は述べている。
Windows 11 SEが搭載された教育機関向けデバイスが、Surface Laptop SEだ。「予算も含め、幅広い選択肢からデバイスを選びたいという意見に応えた」と、日本マイクロソフト Surfaceビジネス本部 本部長の石田圭志氏は語る。
Surface Laptop SEは、オンライン学習に最適な720p HDビデオに対応。USB-CとUSB-Aポートが搭載されており、バッテリーの駆動時間は最大16時間。筐体の裏面のネジが取り外せるようになっており、容易に修理もできる。
価格は、Intel CeleronプロセッサN4020、メモリ4GB、記憶容量64GBを搭載したモデルが2万7800円(税別)、Intel CeleronプロセッサN4120、メモリ8GB、記憶容量128GBを搭載したモデルが3万6800円(税別)となっている。国内では11月30日より出荷を開始する。
このほかにも説明会では、日本マイクロソフト 業務執行役員 パブリックセクター事業本部 文教営業統括本部 統括本部長の中井陽子氏が、教育現場での事例を紹介した。
埼玉県鴻巣市では、教職員が教務や校務にいつでもどこからでもアクセスできるフルクラウド環境を構築。また、大阪府堺市では、外国にルーツを持つ子どもたちが日々の授業でOfficeのリアルタイム翻訳機能を活用しているほか、遠隔授業でも日本語指導を実践し、言葉の壁を取り除くことに成功した。鹿児島県では、県域教育用ドメインの導入で小中高12年間共通のアカウントが利用できるようになり、長期間にわたる学習ログの取得で学習履歴の蓄積と分析ができるようになった。
中井氏は、「地球上のすべての生徒とすべての教員がより多くのことを達成できるようにすることが、マイクロソフトのミッションだ」と述べた。