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大塚商会の2026年上期連結業績が好調、「Windowsサポート終了特需」の反動を克服し17四半期連続の増収増益を達成

 株式会社大塚商会は3日、2026年12月期第2四半期(中間期)の決算を発表した。連結売上高は、前年同期比9.0%増の7574億9800万円、営業利益は同8.0%増の530億8800万円、経常利益は同9.4%増の548億2400万円、親会社株主に帰属する中間純利益は同8.4%増の369億8200万円となった。

2026年1~6月 業績の概況

 代表取締役社長の大塚裕司氏は、「連結、単体ともに計画比をクリアし、2桁増とはならなかったものの1桁の上位増となることができた」と中間決算を評価した。

代表取締役社長の大塚裕司氏

 なお、大塚商会では、上半期決算が好調だったことから通期決算の上方修正を行った。通期連結売上高は当初見込みから680億円増の1兆3790億円、営業利益は同43億円増の943億円、経常利益は同600億円増の961億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同37億7000万円増の649億円。

 大塚社長は、「今回の上方修正は、上期の増加分を当初計画に上乗せしたものとなっている。ただし、これで終わるつもりはなく、さらなる売上増を目指したい」と述べ、さらなる売上増を目指す意欲をアピールした。

【連結】売上高・利益の計画

17四半期連続の増収増益を達成、物不足への在庫確保と重点事業の動向

 連結セグメント別売上高は、システムインテグレーション事業が前年同期比9.5%増の5367億3500万円、サービス&サポート事業が同7.7%増の2207億6300万円となった。「システムインテグレーション事業は、昨年の今ごろは、ちょうどWindows 10のサポート終了特需のまっただ中。その時と比べても好調な売上とすることができた」とのことで、特需の翌年ではあるものの好調な売上となった。

【連結】セグメント別売上高

 単体の詳細セグメント別売上高を見ると、SI関連商品が前年同期比7.6%増の4116億4700万円、受託ソフト等が同5.58%増の358億100万円、サプライが同6.05%増の1090億4800万円、保守等が同9.65%増の1074億6000万円。

【単体】詳細セグメント別売上高

 売上高四半期推移、経常利益の四半期推移ともに前年を上回った。「実は、売上、経常利益ともに17四半期連続の増収増益となった。1年前がWindows 10のサポート終了による特需で、お祭りのような業績だったことと比較すると、今回がプラスの業績となったことは本当に価値がある成果だといえる」と述べ、四半期ごとの業績が伸長していることを強調した。

【連結】売上高の四半期推移

 単体の詳細セグメント別売上高増減率の四半期推移では、「特需の時(2025年3Q)のSI関連商品の伸びから比較すると、下がってはいるが、それぞれの項目は堅調な動きをしている。保守についても、底支えができている」と特需ピーク時以降も、堅調な売れ行きとなっていると紹介した。

 また、今回、営業キャッシュフローが前年の451億円から425億円に下がっているが、部材不足により製品調達が難しくなっていることの影響だという。

 「要因のひとつは、売上が非常に伸びているため、売掛金が増加していること。もうひとつの要因が物不足。大塚商会もやはり物不足に襲われている。特にサーバーは、納期が見えないといろいろなメーカーから言われている。同業他社と同じような環境にある。ただ、大塚商会は各メーカーとの連携があり、幅広い商材を持っているため、そこで在庫を増やしている。通常は6月末段階で大型の売上を上げた後は、在庫は減る。1年前のWindows EOS時も在庫を増やし対応していた。その後、EOS以降、少しずつ在庫を減らしてきたが、今年の初めぐらいから物不足が叫ばれるようになった。取れるものを取って在庫を増やす、売れるものをできるだけ確保するために、在庫が増加することになった。これが今回の6月末の、今までにない数字となっている。今後下期に向けても、在庫の問題・物不足の問題は残るため、あえて在庫を増やしている」。

【連結】キャッシュフロー

 重点事業の状況は、たのめーるは前年同期比5.8%増の1182億5900万円、SMILEは同13.5%増の94億1400万円、ドキュメントソリューション「ODS」は同8.1%増の382億6300万円、セキュリティソリューション「OSM」は同37.0%増の1114億2400万円。

 複写機は前年同期比1.6%増の2万2475台、うちカラー複写機は同1.9%増の2万2157台、サーバーは同11.0%増の1万935台、パソコンは同3.2%減の95万5737台、クライアント合計では同0.8%増の104万73台となった。

 「重点戦略事業では、セキュリティが堅調に進んでいる。パソコンは前年割れだが、クライアント全体では昨年を上回っている。これは、多少GIGAスクールの影響などもある。SMILEは、昨年は悩ましい数字だったが、今年は手堅い数字となった。サーバーとパソコンは、物不足などの課題があるが、その中で精いっぱい頑張った数字となった」とした。

【単体】重点戦略事業の状況

 なお、物不足の影響を受け、例年は年2回、4月と10月にたのめーるのカタログを発行し、その期間はカタログに載っている価格を守るというスタイルだったが、2026年はこれを変更することになった。

 「今年4月にカタログを発刊したが、8月にもカタログを発刊するのは初めての経験になる。ご承知の通り、物不足、それからさまざまな商材がホルムズ海峡の問題等の影響を受け値上がりしている。当社もこれまではカタログ価格を守り、有効期限内はコミットメントすることを進めてきたが、商品供給をしっかり安定的にすることも含め、8月に初めてカタログを発刊するという特例の形を取った」。

 また、複写機の販売台数四半期推移は、1Q、2Qともに前年を上回った。「複写機は、もう過去のものとされ、販売台数も2割、3割落ちるとも言われているが、残存者利益なのか、手堅く伸びている。大きな伸びが期待できるわけではないが、大事なビジネスとして進めていきたい」と述べた。

 クライアントの販売台数の四半期推移については、「第1四半期と第2四半期を足し込むと、クライアントほぼ前年並みの0.8ポイントとプラス。第1四半期は、GIGAスクール需要によるもので、パソコンの本当の実力値については、パソコンはやはり減っている。市場全体の動向通り、パソコンは前年の特需以降、販売台数は減少していると理解してもらえれば」と述べたように、前年を下回っているという。

AI営業支援の拡大とCopilot国内1位の実績、「オフィスまるごと」戦略でさらなる成長へ

 今後の動向については、基本方針、中・長期経営方針に変化はない。

 受注状況とAIを活用した営業活動支援については、「受注件数、受注率ともにほぼ横ばいだが、AIによる営業活動支援は、AIの示唆で動くAI受注金額、AI受注金額シェアともに増加している」との現状を説明。

 その増加の理由としては、「AIにセットすることで、どこへ営業に行ったらいいのかというパラメーターを、市場環境やデータを見ながら、あるサイクルで見直しをかけている。これまでは、営業に行くところがなかったら困る、困った時にどこへ行けばいいのかといった試算をさせてきた。既存顧客の中で、どれだけ深掘りできるかといった出し方をしていた。それが特需の時になると、営業活動が活発になっているので、AIが提案しても、『そこには既に営業をかけている』といったことになった。そこで既存のお客さまの中で深掘りができていないお客さま、もしくはちょっと疎遠になりかけているお客さまをAIがピックアップしてくるよう変更を行った。こうした深掘り戦略と、当社が進めているオフィス内のまるごとを商材として売り込むという内容が合わさって伸びてきている。その結果、AIが絡んでいるビジネスが4割弱まで来た。今後も、さまざまな形でAI活用を定着させていきたい」と述べ、着実に増加している点をアピールした。

受注の状況・AIによる営業活動支援

 AIの中でも日本マイクロソフトのCopilotについては、「2025年7月から2026年6月までの期間、国内販売数ナンバー1」という。

 「Copilotに対してはお客さまからの関心も高く、大塚商会自身も社内で活用している。マイクロソフト製品でいえば、Microsoft 365の販売実績も国内トップとなっている。国内トップクラスのお客さまを持っている中で、オプションとしてCopilotを推奨していくことは、お客さまにも受け入れていただきやすい。その結果がCopilotの販売数国内ナンバー1という実績となった。さらに、当社は中小企業のお客さま向けメニューを充実させている。Copilotの導入から活用、定着までのメニューを用意している。例えば、Copilotのeラーニング、利用者向け研修など、単にAIを販売するだけでなく、中小企業のお客さまに活用していただくためのメニューを用意している。これは他社とは、少し違うアプローチになっているのではないかと思っている」との見方を示した。

Copilotの実績

 さらにAIに関しては、Copilotだけでなく、さまざまな製品を扱う「AIのマルチベンダー」を標榜している。

 「中小企業においてもAIの活用ニーズは高くなっている。大塚商会のさまざまなAIソリューションで生産性向上、コスト削減に貢献をしていくなど、課題解決につながる提案を目指す。また、当社自身がAIを使っているということも含め、ノウハウをお客さまに提供し、ともに成長していくことを目指したい。業務効率化向けエージェント教育、データの分析、ヒューマンリレーション関係、ウェルビーイングにつながるものまで、幅広く取り扱いをしていきたいと思っている。実際、大塚商会が社内にAIを導入したのはもう10年前の2016年。それだけノウハウはたまっていると思っている」と話した。

AIのマルチベンダー

 セキュリティについては、経済産業省が進めている、サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度(SCS評価制度)のための支援を行っていく。

 「セキュリティについても、1996年から取り組んでいるので30年近い歴史がある。これまでセキュリティ対策にはお金がかかるということで後回しになりがちだったが、昨年起こった大企業のランサムウェア被害事故を見ても、きちんと対策に取り組まなければならないことを多くの企業が認識したのではないか。サイバー攻撃の標的となるのは大企業だけでなく、大企業と取引があるサプライチェーンの中で十分にセキュリティ対策が取られていない部分を見つけ、そこから攻撃が仕掛けられることが多い。経済産業省が進めているSCS評価制度は、具体的な詳細はこれから出てくるところもあるが、おそらく中小企業に対しても活用されることになるのではないか」と説明した。

セキュリティ

 このほか、大塚商会が進めている、企業との取引商品をオフィス全体に広げる「オフィスまるごと」については、「コロナが終わり、営業活動が普通に戻った時に、従前のビジネスの仕方がなかなか通用しなくなった時期があり、2022年に『オフィスまるごと』へ戦略転換し、組織も見直した。『オフィスまるごと』に対する対策を行ってきたことが、今回の成果につながっていると思っている」と、成果が出ている点を強調。

 それを示すデータとして、Windows 7サポート終了時の1企業あたりの売上高を100とすると、Windows 10サポート終了時点では147へ拡大していることを挙げ、取引内容が深化したと説明している。

まるごとへの歩み