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富士通、9大学2研究所連合による共同運用データプラットフォームを構築
2021年3月10日 10:00
富士通株式会社は9日、9大学と2研究所が共同運用する、Society 5.0が目指すデータ集約社会を実現するための新たな基盤となる、データ活用社会創成プラットフォームを構築し、同日に稼働を開始したと発表した。
プラットフォームを共同運用するのは、国立大学法人北海道大学、国立大学法人東北大学、国立大学法人筑波大学、国立大学法人東京大学、国立大学法人東京工業大学、国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学、国立大学法人京都大学、国立大学法人大阪大学、国立大学法人九州大学の9大学と、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立情報学研究所(以下、NII)、国立研究開発法人産業技術総合研究所の2研究所。
9大学と2研究所は、Society 5.0が目指すデータ集約社会の実現に向けて、日本のあらゆる大学や研究機関が有するデータの収集や蓄積、解析が可能で、かつ用途やニーズに応じてすぐにシステムを拡張できるプラットフォームを必要としていた。
そこで富士通は、強みとするシステムインテグレーションにより、同社製の最新PCサーバーをベースに、大容量ストレージシステムや仮想基盤、ネットワーク機器などを統合した高性能なシステムを提案し、プラットフォームの受注に至った。
プラットフォームは、国立大学法人東京大学柏Ⅱキャンパス総合研究棟に2021年3月に設置され、NIIが運用する「SINET」を介して、全国の大学や研究機関などへ広く計算資源を提供するほか、国立大学法人東京大学情報基盤センター(以下、東大情報基盤センター)に2021年5月に導入予定の「計算・データ・学習」融合スーパーコンピュータシステム「Wisteria/BDEC-01」などと連携し、プラットフォームで収集したデータを用いた高精度なシミュレーションを実現する。
プラットフォームのシステムは、400台以上の最新PCサーバーによる高速計算処理能力とユーザーへ計算資源を提供するIaaS基盤を統合。1ノードあたり2基のCPU(第3世代インテルXeonスケーラブルプロセッサー)を搭載した「PRIMERGY CX2550」の次期モデル368台と、1ノードあたり8基のハイエンドGPU「NVIDIA A100 Tensor Core GPU」を搭載した「PRIMERGY GX2570」の次期モデル40台などで構成し、総理論演算性能8.5ペタフロップスを実現する。
最新CPUを搭載したPCサーバーと最新GPUを搭載したPCサーバーを統合して構成することで、PCサーバーの機能に加えて、AIなどの活用に必要な高速演算機能を併せ持ち、幅広いユーザーが活用可能な計算資源を提供可能。すべてのPCサーバーに仮想化基盤「VMware vSphere 7」を統合することで、同時に数千のプロジェクトに対し、ユーザーの用途やニーズに応じて計算資源を柔軟に提供できるIaaS基盤を構築できる。
また、株式会社データダイレクト・ネットワークス・ジャパン製の合計27PBの大規模ストレージシステムや、ストレージネットワーク部分におけるNVIDIA製の高速データ転送を実現するネットワーク機器、外部ネットワークとのフロントエンド部分におけるJuniper Networks製の高セキュアなネットワーク機器、大容量データを数十年にわたり保存可能なソニー株式会社製の光ディスクといった、パートナー企業が提供する最先端のストレージシステムやネットワーク機器と相互接続可能な仕組みを構築。これにより、効率的かつセキュアにデータの収集や蓄積、解析が可能となる。