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学術情報ネットワーク「SINET5」が東京~大阪間を400Gbpsへ高速化、安定した通信を提供

 大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII)は、学術情報ネットワーク「SINET5」の東京~大阪間において400Gbps回線を構築し、12月9日より運用を開始すると発表した。

 SINETは、日本全国の大学・研究機関等が利用している通信ネットワーク。

 今回は、東京~大阪間において、長距離・大容量伝送に優れたコア低損失大口径ファイバケーブル、高度デジタルコヒーレント光伝送装置を利用して、光ファイバ総距離600km以上の400Gbps回線を新たに構築し、通信容量を増強した。

 なお、現在運用されているSINET5においては、全都道府県を100Gbps回線で結んでおり、新設された400Gbps回線はこの4倍の通信容量となる。

 NIIでは、今回の回線構築の理由として、大学・研究機関などが集中する関東エリアと関西エリア間での、データ通信需要増が通信容量を圧迫している状況を解決するためと説明。これによって、大容量のデータ通信による回線占有などの懸念がなくなり、安定した通信が確保されるとしている。

 さらには、大学間連携や大型研究プロジェクトなど、さらなるデータ増や新規の超大容量データ転送にも対応可能な基盤が整うとした。

 なおNIIでは、400Gbps回線の運用から得られる知見を、2022年4月運用開始予定の次期SINETの設計・構築にも生かしていくとのことだ。

SINET5の全体図。東京-大阪間に赤線の400Gbps回線を増設する