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光洋と富士通、一般の来店客を対象とした“レジなしコンビニ”の実証実験を横浜で開始

 株式会社光洋ショップ‐プラス(以下、光洋)と富士通株式会社は、光洋が運営するコンビニエンスストア「グリーンリーブスプラス横浜テクノタワーホテル店」において、生体認証技術を用いて人確認を行うレジなし(レジレス)店舗の実証実験を、1月15日から開始すると発表した。一般の来店客を対象とした同様の実証実験は国内で初めてという。なお光洋では、4月1日から同店舗での本運用を開始する予定。

 光洋では、500を超える病院内などにおいて、コンビニエンスストアやレストランなどを運営しているが、同社では来店客の「便利さ・快適さ・楽しさ」を目指した店舗形態の開発に取り組んできたという。昨今ではさらに、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて非対面や非接触へのニーズが高まっており、来店客と店員、双方の安全性確保が課題になっているとのこと。

 そこで今回、光洋では、米VCOGNITION TECHNOLOGIESレジレスソリューション「Zippin」とマルチ生体認証を活用した富士通のレジレスシステムを用いて、店舗における新しい顧客体験の有効性を実証実験で検証する。具体的には、支払時における購入者と店員との接触を防止できることから、新型コロナウイルス感染症対策への効果や、レジレス店舗における品ぞろえの最適化、レジ待ちストレスの解消による顧客満足度の高い購買空間の提供といった点を検証するとした。

実施店舗となる、「グリーンリーブスプラス横浜テクノタワーホテル店」

 なおレジなし店舗では、来店客が事前にスマートフォンアプリ「GreenLeaves+アプリ」をダウンロードしクレジットカードの情報を登録した後、アプリに表示されたQRコードで入店する。入店後は、店内に設置されたカメラや重量センサーなどのIoTと、クラウド上のAIを組み合わせることによって、来店客の動きや購入商品を判別する。来店客はそのまま退店することで自動的に決済が完了するほか、購入者はスマートフォンに送られる電子レシートで購入履歴を確認できるとのこと。

 さらに、手のひら静脈と顔情報のみで本人を特定できるマルチ生体認証技術を活用し、手のひら静脈と顔の情報をスマートフォンアプリとひも付けて事前登録することで、スマートフォンを使用することなく、手ぶらでの入店を可能にするという。

 光洋は、4月より同店舗での本運用を開始するとともに、全国の病院・施設内のコンビニエンスストアやレストラン、カフェの運営ノウハウを生かし、レジレス店舗とのシナジー効果が見込める複合店舗の開発を目指す考え。2024年までの3年間で、病院職員向け店舗およびマイクロマーケットなどで、高い売り場効率が期待できる店舗を中心に、30店舗以上へのレジレスシステムの導入を計画している。

 一方の富士通は、光洋の病院向けレジレス店舗展開に向けて、技術と運用の両面から幅広く支援し、レジレス店舗の実用化に貢献するとした。