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Dropbox Japan、電子署名ソリューション「HelloSign」を日本で正式提供開始
大企業向けのテレワーク支援パッケージも発表
2020年10月1日 11:32
Dropbox Japan株式会社は9月30日、電子署名ソリューション「HelloSign」を日本で正式に提供開始することを発表した。
同日に行われたオンライン説明会では、「HelloSign」を正式提供する市場背景および同ソリューションの概要について説明するとともに、大企業のテレワークを支援するソリューションパッケージとして「Dropbox Business エンタープライズ・全員パック」を提供することも合わせて発表した。
テレワークにおける課題の解決を支援
「HelloSign」は、Dropboxの機能の一部としてシームレスに組み込まれる電子署名ソリューション。Dropboxから直接重要なドキュメントの送信や署名が可能となり、かつそれらを1か所に整理して保存することができる。署名が完了すると、署名済みコピーが自動的にDropboxに保存される。すべての処理がDropbox内で完結するため、誰が何をいつ変更したのかを簡単に追跡でき、次のステップの通知を受け取ることで、完了率を高められるという。
「HelloSign」の正式提供にあたり、Dropbox Japan 代表取締役社長の五十嵐光喜氏は、「当社が今年5月に実施したテレワーク実態調査によると、テレワークを実施したことがある企業は40%。そのうち、週に5日以上実施している企業は34%にとどまっており、4日以下の実施企業が約7割を占めていた。また、4日以下の実施企業に対してテレワークの課題を聞くと、『社内ファイルへのアクセスが不便』、『印鑑を押す書類があった』が上位に挙がった」と、企業が抱えているテレワークの課題について指摘。
「こうした中で、当社セミナー参加者に実施した電子署名システムに関するアンケートでは、約7割の企業が、押印作業が不要となる電子署名システムの導入を検討していることがわかった。そこで今回、さらなるテレワークの推進を支援するべく、『HelloSign』を日本市場で正式に提供開始する」と述べた。
「また、大企業ではこれまで、部門ごとに個別にシステムを導入するのが一般的だったが、テレワークにおいては、全社員に対して共通のプラットフォームを提供する必要がある。さらに、リモート環境から誰もが簡単に使えるようにすることも重要となる。こうした背景を受け、『HelloSign』の本格提供と合わせて、大企業のテレワーク導入を支援するパッケージとして『Dropbox Business エンタープライズ・全員パック』を新たにリリースする」と、大企業向けのテレワーク支援パッケージを提供する背景を説明した。
Dropboxの機能の一部として組み込まれる電子署名ソリューション「HelloSign」
「HelloSign」の概要については、Dropbox Japan ソリューションアーキテクトの保坂大輔氏がデモを交えて紹介した。「『HelloSign』は、150カ国以上の国や地域で、600万人以上のユーザーに利用されている、世界的なクラウド電子署名ソリューションとなっている。Dropboxは昨年、HelloSign社を買収し、『Dropbox』サービスとのディープインテグレーションを進めてきた。これにより、業界初となる組み込み型のストレージ/電子署名ソリューションを実現し、Dropboxのプラットフォーム上で電子署名ワークフローを完結できるようにした」という。
具体的には、Dropbox内で数回クリックするだけで、署名用のファイルをすばやく作成して送信することが可能。署名が完了すると、署名済みドキュメントは自動的にDropboxに保存される。さらに、保存場所はカスタマイズできるため、希望する保存場所を選択することで、Dropbox内のファイルを自動で整理できる。
また、エンドツーエンドの暗号化と明確な監査証跡によって、すべてのドキュメントを保護し、適切な相手に届けることが可能。ワークフロー全体の透明性を確保することで、よりシンプルかつ安全に重要ドキュメントの共同作業ができるようになる。
多言語対応として、Dropboxが対応する22カ国の言語で完全にローカライズされており、Webサイトの表示、製品の使用、チュートリアル用ライブラリの閲覧などを各国語で行うことができる。HelloSignウェブアプリ、HelloSign API(近日提供予定)、HelloSign for Salesforceでは、自分に合った言語を使用し、署名用ドキュメントの作成、送信、管理が可能。署名者は、受け取った署名依頼のインターフェイス言語を変更することもできる。
セキュリティ対策としては、HelloSignユーザーのアカウントを保護するため、ユーザー情報はすべて暗号化され、パスワードのハッシュ化とソルト処理が行われる。また、ユーザーはOAuthとSAMLを使用して効率的で安全なシングルサインオン(SSO)を実施できる。さらに、2段階認証を採用しているほか、署名前と署名後のドキュメント間で改ざんの証跡(またはその欠如)を示せるとした。
このほか、電子署名の利用における要望に応える特長として、保坂氏は「サイト内テンプレートによりテンプレートの作成やアップロードを自社サイトに拡張可能」、「ロゴやフォント、色、リッチテキストをカスタマイズしてHelloSignブランド設定をすべて削除できるホワイトラベリング」、「HelloSignウェブアプリから毎月無制限で署名依頼を送信可能」などを挙げた。
1TBの容量限定で全社員に共同作業環境を提供
新たに提供開始する「Dropbox Business エンタープライズ・全員パック」については、Dropbox Japan パートナー事業部長の玉利裕重氏が説明した。
玉利氏は、テレワーク時代にエンタープライズ向けSaaSを全社導入する際の課題として、「社内と同等のパフォーマンス環境を全社員に提供」、「ITリテラシーにかかわらず、全社員が誰でも使える高いユーザビリティ」、「全社員に提供するためのライセンス課金モデル」の3つを指摘。
「これらの課題のうち、パフォーマンスとユーザビリティについては、従来のDropboxのサービスで対応することができる。しかし、大企業が全社員にDropboxを導入する場合、従来のライセンス課金モデルではコストが高くなってしまっていた。そこで今回、この課題を解決するソリューションとして『Dropbox Business エンタープライズ・全員パック』を、日本市場で先行リリースする」としている。
「Dropbox Business エンタープライズ・全員パック」は、Dropboxを低コストで全社導入することが可能なソリューションパッケージで、1TBの容量限定で全社員に共同作業環境を提供することができる。また、必要に応じて、1TB単位でストレージ容量を追加していくことが可能となっている。玉利氏は、「これによって、大企業では、導入コストを抑えながら、全社員が活用できるスマートワークスペースを提供し、全社でのテレワークを推進することができる」とアピールした。