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LIVE BOARDと富士通、AI技術で屋内デジタルサイネージ広告の広告価値を計測可能に

広告視認数に応じたインプレッション計測モデルを構築

 株式会社LIVE BOARDと富士通株式会社は8日、屋内のデジタルサイネージ(Digital Out of Home:DOOH)の広告価値を計測するため、屋内DOOH広告のインプレッション(広告視認数)計測モデルを構築したと発表した。

 この敬作モデルは、富士通のAI画像解析ソリューション「FUJITSU Technical Computing Solution GREENAGES Citywide Surveillance V3」(以下 GREENAGES Citywide Surveillance V3)で測定した視認数(広告を実際に見たと推定できる人数)などのデータを基に構築されたもの。

 計測にあたっては、DOOH付近に設置したカメラ映像から、個人を特定せずに群衆の視認方向を測定することで、広告視認人数や視聴時間、視聴率を算出している。人物が小さく、顔の正面が映っていない群衆でも、頭部の向きや角度などから、個々人の視認方向を検出できるとした。さらに、個人を特定せずに、髪型や服装などの全身特徴から、群衆の性別・年代を推定する機能も提供可能とのことだ。

 このインプレッション計測モデルを利用することで、広告主にとっては、これまで測定が難しかった広告価値を、広告視認数などの客観的なデータに基づいて把握可能になる点がメリットとなる。

 なおLIVE BOARDは、同社が提供するオンラインのアドネットワーク「LIVE BOARD Network」を通じて、この計測モデルを活用したインプレッション数に基づき、屋内DOOHに対する広告配信を行うとした。

 加えて広告主は、「LIVE BOARD Network」を通じて、広告視認数の多い時間帯を狙った、インプレッション数に基づく広告出稿も可能になる。

 一方で、DOOHを所有するメディアオーナーは、「LIVE BOARD Network」に媒体を接続することで、インプレッション数に応じたDOOHの広告枠の販売など、新たな販売方法を提供できるとした。具体的には、各メディアオーナーが所有するDOOHの空き枠を含め、DOOHを「LIVE BOARD Network」に連携させることで、オンラインでの広告枠の売買やリアルタイム配信などを実現するとしている。

 両社では、今回の商用サービス開始に先駆け、美容室専門デジタルサイネージメディアを展開する株式会社CMerTVと、この計測モデルを活用した広告配信の試験運用を開始しており、今後は鉄道駅構内や商業施設などで利用される屋内DOOHに対しても、この計測モデルの活用を進めるとのこと。