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Google Cloud、ビデオ会議サービス「Google Meet」を一般向けに提供開始へ

G Suiteのチーム向け新エディション「G Suite Essentials」も

 Google Cloudは29日、ビデオ会議ソリューションGoogle Meetを一般向けに無料提供開始することを発表した。「来週から数週間をかけ徐々に」利用できるようになるという。

Google Meetのロゴ

 Google Meet(旧名:Google ハングアウト)は、企業などが使うG Suiteのサービスの1つとして提供されてきた。それが新しく、個人のGoogleアカウントで会議室を作成できるようになる。

 利用は、Google MeetのWebまたはiOS/Androidのアプリから。Googleカレンダーからビデオ会議の設定や参加も可能。なお、個人アカウントで作られた会議室には、匿名ユーザー(Googleアカウントを持たないユーザーなど)は参加できない。

 1つの会議に参加できる人数は最大100人。会議時間は通常で最長60分のところ、2020年9月30日までは24時間利用できる。

 またG SuiteのGoogle Meetと同様に、スケジュール管理や画面共有、リアルタイムでの字幕表示(英語のみ)、好みに応じた画面レイアウト(タイル表示機能を含む)等の機能が利用できるという。

医療での利用例(画像提供:Google)
タイル表示(画像提供:Google)

G Suite Essentialsも発表、9月30日まで無料

 またGoogle Meetの一般提供と同時に、G Suiteの新エディションである「G Suite Essentials」も発表された。チームなどで利用することを想定したもので、2020年9月30日まで無料で提供される。なお、G Suite Essentialsは一時的な措置ではなく、正式なエディションとして提供されるという。

 G Suite Essentialsでは、Google Meet企業向けの高度な機能が利用できる。そのほか、GoogleドライブやGoogleドキュメント、Googleスプレッドシート、GoogleスライドといったG Suiteの機能を利用できる。

一般向け、G Suite Essentials、G SuiteのGoogle Meetの機能比較

エンタープライズグレードの信頼性を強調

 4月30日にはオンライン記者説明会を開催。一般向けを含むGoogle Meetについて、Google CloudのG Suite スペシャリストの小林直史氏が解説した。氏は特に、エンタープライズグレードの信頼性を強調している。

 まず、現在のCOVID-19パンデミックを受けて、Google Meetの利用が急増していることを紹介した。日々300万人と急激に新しいユーザーが増え、グローバルでユーザー数1億人を超えたという。「ただし、Googleのインフラのキャパシティの範囲にある」と小林氏は付け加えた。

Google CloudのG Suite スペシャリスト 小林直史氏
Google Meetの利用が急増

 Google Meetのセキュリティとして、小林氏はまず、クライアントとGoogleとの間はすべて暗号化されていること、Googleドライブに保存される録画ファイルがデフォルトで暗号化されることを説明した。また、アカウントを保護するAPP(Advanced Protection Program:高度な保護機能プログラム)を利用でき、なりすましなどからアカウントを強力に保護できることも小林氏は挙げた。

 Google Meetで会議の安全を保つための不正対策保護機能として、小林氏は以下の5つのポイントを挙げた。

・会議コードは長さ10文字で25種類のキャラクターセットを使った複雑なものになっており、総当たりを困難にしている
・外部からの参加は、組織内から招待されている場合のみ参加可能
・外部からの参加者が入るには会議の主催者側の承認が必要
・外部からは15分前以降にしか入れないようになっており、総当たり攻撃のリスクを下げる
・ダイヤルインによる参加も15分前より後からしか入れない

データの暗号化や、APPによるアカウント保護など
総当たり攻撃からの保護

 そのほか、企業のIT管理者の管理を助ける機能も紹介。さらに、Googleが世界のセキュリティやプライバシー、コンプライアンスの認証を定期的に受けていることや、Googleのスケーラブルなインフラも特徴として挙げた。

企業のIT管理者の管理を助ける機能
Googleのセキュリティなどの対応プロセス