ニュース

DataRobot、エンタープライズAIプラットフォーム最新版「DataRobot v6.0」の日本提供を開始

 米DataRobotは、エンタープライズAIプラットフォーム「DataRobot」の最新版となる「DataRobot v6.0」で、「Visual AI」による画像を用いたモデリング機能の日本提供を開始した。また、「DataRobot Paxata」「AI アプリケーション」の国内提供も同時に開始し、「DataRobot ML Ops」「ディープラーニングの自動化」に関する機能強化を行った。

 今回の新機能により、DataRobotは「Auto ML(機械学習の自動化)」カテゴリーに加えて、エンドツーエンドでデータから価値創出を行うための主要プロセスである「Data Prep(データ準備)」「ML Ops(AIモデルの実運用化)」のすべてを自動化できる AIプラットフォームになったとしている。

 AutoML(機械学習の自動化)のカテゴリーでは、画像を用いたモデルの作成、解釈、利用を自動化する「Visual AI」を搭載し、ディープラーニングに必要なスキルやリソースを持たない組織でも画像を用いたモデリングを迅速に行うことを可能にした。

 ユーザーは、画像ファイル群をドラッグ&ドロップするだけで、数値、カテゴリ、日付、テキストといった多様なデータとともに画像を活用したモデリングを開始でき、さまざまなAI活用テーマにおいて精度を向上できる。Visual AIは画像に対して「AIの説明性」も提供するため、画像とモデルの予測結果との関連性を理解した上でモデルを利用できる。

Visual AI

 さらに、特許を仮出願した新たなKerasベースのモデルフレームワークにより、ディープラーニング機能を大幅に強化。従来、ディープラーニングモデルの学習はコストと時間を要するものだったが、この機能を活用することで、実ビジネスにおいても信頼性が高く、本番環境にデプロイ可能なディープラーニングモデルを容易に構築でき、モデル特性を理解することも可能になる。

 このほか、Automated Time Seriesに新しいディープラーニング技術を導入。大規模な複数時系列のモデリングにおける障壁が取り除かれ、こうした予測アプリケーションの作成が容易になった。

 Data Prep(データ準備)のカテゴリーでは、DataRobot Paxataにより、インテリジェントで使いやすいデータ準備機能を使用して、機械学習モデルの学習や予測のために必要なデータの探索、整理、結合、成形することを可能にする。DataRobotでは、2019年12月にPaxataを買収後、DataRobotの AIカタログや予測機能との統合を行っており、ユーザーはDataRobot Paxataで準備したデータを迅速にAI開発・利用のプロセスに連携できるようになった。

 ML Ops(AI モデルの実運用化)のカテゴリーでは、機械学習モデルを利用したアプリケーションの作成を自動化するAIアプリケーションにより、最終的に意思決定をおこなうユーザーに対して使いやすいAI利用インターフェイスを提供する。AIアプリケーションにより、必ずしもデータサイエンスになじみのないビジネスユーザーでも、予測モデルを用いた予測値の取得や、予測結果の比較、逆問題による予測値の最適化などを実行でき、ビジネスの意思決定を行える。アプリケーションの作成は自動化されているため、個別に行うモデルのインテグレーションは不要となる。

 また、今回のリリースではML Opsの機能拡張として、事前構成済みのモデル実行環境が追加された。これにより、ユーザーはPythonやRなどの言語で開発されたモデルファイルを、ドラッグ%ドロップでより簡単にデプロイできる。さまざまな環境にデプロイされたモデルからメトリックを取得できるリモート監視エージェントにより、DataRobot内にデプロイしたかどうかを問わず、モデルの監視を一元化できる。