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DataRobot、最新バージョンで「Location AI」「時系列異常検知」を提供開始

AIの信頼性向上に関する新機能も提供開始

 米DataRobotは14日、エンタープライズAIプラットフォーム「DataRobot」の最新バージョンにおいて、機械学習の自動化(Auto ML)カテゴリーの強化として、「Location AI」による位置情報を用いたモデリングと、時系列データの活用幅を広げる「時系列異常検知」の提供を開始した。

 Location AIは、位置情報を用いたモデルの作成、解釈、利用を大幅にシンプル化、自動化する。これにより、数値、テキスト、日付、画像などを組みあわせたマルチモーダルAIをさらに強化する。

 多様な地理空間データフォーマットをネイティブに読み込めるため、既存の位置情報の分析をすぐに開始でき、製品に内蔵された地図を使用してデータや精度の分布を地図上で可視化できる。さらに、近い距離にあるデータポイントから空間ラグを算出するなど、距離に関する自動特徴量エンジニアリングを通じて、自動的に精度の向上に活用される。

 時系列異常検知は、時系列データに対して複数の異常検知アルゴリズムを使ったモデルを同時に自動構築することで、発生頻度の極めて少ない事象をさまざまな観点から検知するのに役立てられる。これにより、設備監視データの異常検知による予防的メンテナンスなど、センサーデータなどを中心としたさまざまな時系列データの活用テーマを広げることができる。

 また、AIの信頼性向上に関する新しい機能として「Humble AI(予測の信頼性)」「チャレンジャーモデル」「ユースケース価値トラッカー」の提供も開始した。

 Humble AI(予測の信頼性)は、予測結果の信頼性が低いと考えられる場合にそれをリアルタイムで検知し、その発生を記録、予測値を上書き修正するなどの自動対処を設定できる。これにより、「AIの予測の確からしさがわからないため、活用が進まない」といった課題に対応し、一つ一つの予測に対して信頼性を向上できる。

 チャレンジャーモデルは、代替候補となる複数のモデルに実際の予測をシミュレーション実行して、実運用モデルと精度を比較し、ダウンタイムなしで切り替えることができる。これにより、継続的に精度を監視するだけでなく、継続的にモデルを再構築することで精度低下に備え、AIモデルの信頼性を保つことができる。

 ユースケース価値トラッカーは、ユースケース(活用テーマ)の単位で機械学習資産をグルーピングし、予測モデルにより実現されたビジネス価値を理解することができる。

 新機能は、DataRobotのマネージドAIクラウド(SaaS)において国内提供開始済み。オンプレミスAIクラスター版での国内提供開始は7月下旬を予定する。