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Dell EMC、バックアップストレージ「Data Domain」「IDPA」のクラウド対応などを強化

 デル株式会社とEMCジャパン株式会社(以下、Dell EMC)は25日、バックアップストレージアプライアンスの「Dell EMC Data Domain」と「Integrated Data Protection Appliance(IDPA)」において、ソフトウェアの機能強化を発表した。

 今回提供するストレージソフトウェアの新版「Data Domain OS 6.2」「IDPA 2.3」では、クラウド環境への対応を全体的に強化している。具体的にはまず、クラウドを利用した階層化機能「Cloud Tier」がGoogle Cloud Platform(GCP)、Alibaba Cloudに対応。パブリッククラウドへの長期にわたるデータ保持をより柔軟に行えるようにした。

 また、Cloud Tier用のフリースペース見積ツール(Free-space Estimator Tool)によって、容量管理をより効率的にすることで、オンプレミスおよびクラウドストレージのコストを削減可能になるとしている。

 このほか、仮想アプライアンス版の「Data Domain Virtual Edition(DD VE)」についても、サポート対象のパブリッククラウド事業者を拡張。オンプレミスとパブリッククラウドのソフトウェア・デファインド・データ保護機能が、AWS GovCloud、Azure Government Cloud、GCPに拡大された。DD VEではさらに、クラウド格納容量がインスタンスあたり最大96TBへ増加しており、導入企業はmオンプレミスで利用しているDell EMCアプライアンスと同じレベルの保護能力をクラウド環境でも受けることが可能になるとのこと。

 加えて、IDPAファミリー全体がNative Cloud Disaster Recovery機能をサポート。エンドトゥエンドのオーケストレーションで、コスト効率よくクラウド環境へのフェイルオーバーを行えるとしている。また今回の拡張では、Data DomainおよびIDPAの全モデルが、クラウド災害復旧で利用できる環境としてVMware Cloud on AWSを含むAWS、およびMicrosoft Azureをサポートする。

 また性能面も強化された。IDPAファミリーのアップデートでは、データキャッシュ機能の強化により、Instant Access and Restoreのパフォーマンスが向上。IOPSは最大で4倍となる、20ミリ秒のレイテンシで最大4万IOPSを実現する。

 一方のData Domainのアプライアンスでは、Data Domainアプライアンスから2.5倍高速にデータをリストア可能になったほか、クラウドからData Domainアプライアンスへは4倍高速にデータをリコールできるようになったとのこと。

 なお、中規模企業向けの施策として、2Uアプライアンス「Data Domain DD3300」では、新たにハードウェアの強化も実施された。8TB容量モデル(最大32TBまでのスケールアップに対応)の追加、10Gigabit Ethernet(GbE)のサポートによる高速ネットワーキングなどを実現。ファイバチャネルを通じた仮想テープライブラリ(VTL)へのバックアップも可能になった。