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AI技術で不公正取引の審査業務を支援、NECの証券業界向け「NEC AI売買審査支援サービス」

 日本電気株式会社(NEC)は25日、AI技術を活用し、証券・銀行・保険などの金融取引における、リスク・不正対策業務の支援ソリューションを順次販売すると発表した。今回は第1弾として、証券業界向けに、不公正取引の審査業務を支援するクラウドサービス「NEC AI売買審査支援サービス」を同日より提供開始する。

 「NEC AI売買審査支援サービス」は、AI技術を利用して不正な金融取引を検知するソリューション。ディープラーニング技術によって高い精度での予測を実現するRAPID機械学習技術により、すべての取引データを対象に、不公正取引の可能性を高精度にスコアリングできるため、従来は審査担当者が手作業で1件1件調査・分析していた、売買取引の最終審査を支援するとのこと。

 一方、膨大なデータに混在する多数の規則性を発見し、高精度の予測だけでなく分析結果の根拠まで説明可能なAI「異種混合学習技術」も活用。スコアリングなどの分析結果だけでなく、不正と判断した根拠もAIが導き出せるとしている。

 また、約495万の証券総合口座数を有するSBI証券の審査ノウハウとNECのデータサイエンティストのノウハウに基づいたAI予測モデルを採用しており、Amazon Web Services(AWS)のセキュアなクラウド環境上で分析をするため、既存システムの環境にとらわれることなく、短期間かつ効率的にサービス導入が可能とのこと。

 また今後は、インサイダー取引審査への対応といった機能拡充も予定している。

 なおSBI証券では、「NEC AI売買審査支援サービス」の導入を決定しており、2020年1月より運用開始となる予定だ。