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データサイエンティスト2~3カ月分の仕事を1日で処理、NECがAI分析技術を開発

「予測分析自動化技術」の概要

 日本電気株式会社(NEC)は15日、リレーショナルデータベースにおける大規模データ予測分析プロセスの完全自動化技術を開発したと発表した。実証実験もすでに完了しており、株式会社三井住友銀行および株式会社日本総合研究所は本格導入に向けて検討を開始した。

 NECでは新技術を「予測分析自動化技術」と呼称している。これまでに開発した「特徴量自動設計技術」「異種混合学習技術」を発展させつつ、リレーショナルデータベース分析に関わる一連の工程を完全自動で実現する点を特徴としている。

 一般に、大規模業務向けデータベースを分析するには、データ関係性の発見、機械学習による予測モデルの調整など、極めて専門的な技量が要求される。一方で、それらの実務を担うデータサイエンティストは不足しており、非熟練者でも容易に分析できるシステムが求められているという。

 新技術では、予測に有効なデータ項目の組み合わせ(特徴量)の仮説をAIが発見。また、大量の予測モデルの中からユーザーが目的とするものを提供する。この際、予測の根拠も提示される。

 三井住友銀行と日本総合研究所ではこの新技術を用いた実証実験を実施。2~3カ月分のデータ分析作業が1日に短縮できたとしており、この結果を受け、本格導入に向けたシステム設計の検討を開始した。