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データを保護したまま利用範囲の拡大を実現、自動車部品メーカーの東海理化が「FinalCode」を採用
2019年12月10日 14:26
デジタルアーツ株式会社は10日、大手自動車部品メーカーの株式会社東海理化が、暗号化ソリューション「FinalCode」を採用したと発表した。
東海理化では、情報漏えいリスクの観点から、自動車部品を設計する上で数多く生じる図面データや設計ルールなどの技術情報を、限られたメンバーにしか開示しないというセキュリティポリシーを設けていたという。しかし新技術を開発するためには、国内の技術者だけでなく、海外のグループ会社の社員を含め、多くの技術者がかかわる必要があり、こうした機密データを広く展開して有効活用する必要が生じていたとのこと。
そこで、情報の開示範囲拡大を実現しつつ、同時に情報漏えい防止を実現可能なソリューションの導入を検討。3カ月かけて7つの暗号化ソフトウェアを比較検討したところ、利便性、運用、コストといった面を評価し、「FinalCode」の導入を決定した。
同社の技術管理部門では、FinalCodeの自動暗号化フォルダ機能を図面データ管理システムに組み込んでおり、1カ月に約1万件発生する技術情報を効率的に暗号化。これによって、社内の設計者が開発した技術情報を、セキュリティを確保しながら、グループ会社に在籍する技術者に広く開示可能になったため、設計・開発スピードの向上につなげられたと評価している。また同社では、管理画面操作の簡易さ、復号後のデータ汎用性なども評価点として挙げた。
なお、図面データを暗号化するために1名でスタートした管理者のライセンス数は、現在では30名まで拡大。FinalCodeのユーザー数も、東海理化グループ内で約6000人まで増加しており、設計ルールや製造ルールなど、機密性の高い書類もFinalCodeで暗号化しているとのこと。また今後は、数百社あるサプライヤーへの展開も検討している。