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ファナック、富士通、NTT Com、工作機械業界向け「デジタルユーティリティクラウド」実現に向けた協業を開始

 ファナック株式会社、富士通株式会社、NTTコミュニケ―ションズ株式会社(以下、NTT Com)の3社は13日、「デジタルユーティリティクラウド」構想を実現するサービスを共同で開発していくことで合意したと発表した。

 デジタルユーティリティクラウドは、工作機械業界全体で重複している社内業務の効率化および顧客サービスの高度化を目指し、デジタル革新を加速させる構想。その実現のため、3社は業界各社で共通利用できるクラウドサービスの開発に取り組み、デファクトスタンダードを目指す。

 デジタルユーティリティクラウド構想を実現するためのサービスとしては、工作機械の稼動状況などの設備データ、モバイルデバイスなどで収集される作業ログなどの人的データ、マニュアルや仕様書などの静的データをセキュリティ基盤で管理し、安心・安全に利用できる仕組みを提供する。

 集約されたデータを、AIエンジンによりさまざまな目的に合わせて分析することで、サービスを利用する工作機械業界各社が、社内業務におけるコスト・開発リソース低減や顧客サービス高度化に活用できるようになる。これにより、注力すべき差別化領域へ予算や開発リソースを集中することが可能になるとしている。

 また、工作機械業界各社やITベンダーが開発したアプリケーションなどを、工作機械業界各社の顧客向けに販売するためのストア機能も提供する予定。これらのサービスは、工作機械業界のエコシステムとして、工作機械業界各社やその顧客に幅広く利用されることが期待できるとしている。

 各社の役割としては、ファナックは工作機械業界の立場に立ち、デジタルユーティリティクラウドに必要となる機能を企画するとともに、エッジレイヤーを担うソリューションである「FIELD system」の開発を通じて得た知見を生かし、エッジレイヤーに必要な機能を担当する。

 富士通は、ものづくりのさまざまな情報をつなげるデジタルプレイス「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA(コルミナ)」の開発を通じて得た知見を生かし、アプリケーションレイヤーを担当。NTT Comは、ネットワーク・クラウド・セキュリティなどのサービス提供を通じて得た知見を生かし、セキュアなデータ利活用を実現するためのICT基盤やセキュリティ機能を担当する。

 サービスは、2020年4月から順次提供を開始する予定。また、将来的なJV(合弁会社)の設立も視野に、3社でデジタルユーティリティクラウドを推進していくとしている。