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スカパーJSATがAutomation Anywhereを採用、34台のソフトウェアロボットを開発
2019年8月27日 16:16
株式会社日立ソリューションズは27日、スカパーJSAT株式会社が、Automation AnywhereのRPA製品「Automation Anywhere」を活用した、日立ソリューションズの「RPA業務自動化ソリューション」を採用したと発表した。
宇宙事業やメディア事業を手掛けるスカパーJSATでは、業務改善の一環としてRPAに着目し、「通勤定期区間変更に伴う金額算定業務の自動化」をRPAのPoCとして検証。実際にRPAで作業を自動化した結果、単調な作業から解放された現場の社員から感謝の声が上がっていたという。
こうした成果を受け、本格的な導入を見据えてRPA製品の機能の比較検討を開始したが、機密性の高い情報を扱っているため、社内システムへのアクセスコントロールと、“野良ロボット”への対策を重視。また、OAネットワークとは分離されたインターネットアクセス用のWeb VDIを利用しているため、この環境下で利用できるかどうかという点も重要なポイントだったとのこと。
あわせて、情報システム部だけでなく、業務部門の利用者にもロボット開発を推進する方針だったことから、開発の容易さも考慮。最終的に、日立ソリューションズから提案のAutomation Anywhereの採用を決めた。
また日立ソリューションズは、「RPA業務自動化ソリューション」を自社の業務効率化にも活用中であり、RPA製品に関する技術ノウハウだけではなく、RPAプロジェクトの進め方、社内への展開の際に必要な基準・ルールの制定やガイドラインの策定、あるいはロボットの利用申請手順の整備といった実業務における実績があることも製品選定の決め手になったとした。
またRPAを導入するにあたっては、情報システム部員のみならず、4つの事業部門の兼務者で構成される部門横断の業務革新チームを設立し、自動化する業務の選定に取りかかった。
候補業務の収集については、「RPA化に適している定型の作業は入社10年目くらいまでの若手社員が担っているのではいか」という推測から、若手社員向けにアンケートを実施し、多くの回答から、さまざまなRPA化の候補業務を集めることができたという。
最終的には、これらの候補業務に対し、「RPA化に適している業務か」「生産性向上効果が見込めるか」「全社的な波及効果があるか」などの観点から、ロボット化する業務を抽出し、約20の業務をロボット化する対象として選定した。
あわせて、イントラネット上に専用のポータルサイト「これロボ」を開設。「大切だけど、単調でつまらない作業をロボット化しよう」を合言葉に、独自のキャラクター「これロボくん」も考案し、社員が親しみやすい雰囲気をつくるなど、社内での認知向上にも取り組んだ。
そうした中で、2018年10月、第1弾となる「株価レポート」の作成・メール送信ロボットをリリース。その後も活用範囲を広げ、2019年3月までに34台のソフトウェアロボットを導入し、PCでの定型業務の一部を自動化しているが、社員の入力ミスへの懸念によるストレスや業務負荷の軽減を実現しているとのことだ。
なお日立ソリューションズでは、自社の全社導入で培ったノウハウを生かした「RPA業務自動化ソリューション」により、問い合わせに対応するRPAデスクの設置やToDoリストの整理などを支援している。