ニュース

国内サーバー市場動向、2019年第1四半期の売上額は前年同期比11.6%増の1424億円~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は26日、2019年第1四半期(1月~3月)の国内サーバー市場動向を発表した。2019年第1四半期の国内サーバー市場全体の売上額は1424億円で、前年同期から11.6%増加。出荷台数は12万9000台で、前年同期から8.8%減少した。

 製品別では、x86サーバーの売上額は前年同期比12.8%増の1141億円で、通信、ネット企業、製造、ITサービス向けの大口案件などで2桁%のプラス成長となり、国内サーバー市場を牽引した。一方、出荷台数は前年同期比8.8%減の12万7650台となった。

 IDC Japanではx86サーバーをさらに、ベンダーが公開するカタログに掲載されている「Standard Server(Enterprise向け)」と、主にクラウドサービスベンダーがODM Directなどから調達する「Custom Server(Hyperscale Service Provider向け)」に分類している。Standard Serverは、売上額が前年同期比16.3%増の1035億円、出荷台数は同5.3%減の11万3320台。Custom Serverは、売上額が前年同期比13.0%減の106億円、出荷台数は同29.6%減の1万4330台となった。

 メインフレームの売上額は前年同期比21.2%増の203億円で、金融、製造、公益向けの大型案件などが貢献し、2桁%のプラス成長となった。x86サーバー・メインフレーム以外の「その他のサーバー」は、売上額が前年同期比18.1%減の80億円で、前年同期にあった金融や通信向けの大型案件の反動で2桁%のマイナス成長となった。

 国内サーバー市場を牽引したx86サーバーは、出荷台数が前年同期比でマイナス成長となったが、売上額は2桁%のプラス成長となった。これは、x86サーバーの平均単価上昇によるもので、x86サーバーに搭載するプロセッサーのコア数増加、これに伴うメモリ搭載容量増加、およびHDDからSSD(Solid State Drive)へのシフトなどがあると分析している。

 IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャーの下河邊雅行氏は、「x86サーバーのプラス成長は、平均単価上昇によるものであり、出荷台数はマイナス成長である。平均単価は、今後一定の価格帯で落ち着くとみており、このまま出荷台数のマイナス成長が続けば、売上額もいずれマイナス成長になる。よって、サーバーベンダーは、AIやIoT用途など、サーバーの新規需要創出に努める必要がある」と述べている。

 カンパニー別売上額では、富士通が首位を維持した。次いで、NEC、日本ヒューレット・パッカード(HPE)、デル テクノロジーズ(Dell Technologies)、日立の順となり、日立は前四半期より順位を1つ上げ5位となった。出荷台数は、NECが首位を維持した。次いで、富士通、HPE、Dell Technologies、日立の順で、上位5社の順位に変動はなかった。

2019年第1四半期 国内サーバー市場カンパ二―シェア【売上額】(出典:IDC Japan)