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2019年の国内x86サーバー市場、出荷台数は微減も売上額は成長~IDC Japan

2019年 国内サーバー市場動向調査

 IDC Japan株式会社は24日、2019年通年の国内サーバー市場動向を発表した。それによると、2019年の国内サーバー市場全体の売上額は前年比1.7%増の5156億円で、売上額は3年連続で前年比プラス成長になったという。一方で出荷台数は、前年比2.5%減の51万6000台となった。

 製品別に見ると、「x86サーバー」の売上額は前年比1.2%増の4191億円で、こちらも3年連続での前年比プラス成長となった。出荷台数は前年比2.3%減の51万2100台とマイナス成長になっているが、平均単価が前年比で上昇していたため、売上額はプラス成長になったという。

 x86サーバーのうち「Standard Server」(ベンダーが公開するカタログに掲載されたサーバー)は、売上額が前年比3.2%増の3612億円、出荷台数が同0.3%減の43万6600台。店舗設置や組み込み用途の大口案件、Windows Server 2008のサポート終了に伴うサーバー更新需要などがあったものの、データセンター用途の大口案件が大きく減少したことで、出荷台数が前年よりやや減少しているとのこと。

 また、x86サーバーのうち「Custom Server」(主にクラウドサービス事業者がODM Directなどから調達するサーバー)は、売上額が前年比9.7%減の579億円、出荷台数が同12.7%減の7万5400台で、ODM Directを中心に、クラウドサービス事業者向けの出荷が減少したことを受け、2けたのマイナス成長になっている。

 x86サーバー以外では、「メインフレーム」の売上額が前年比29.9%増の699億円と、大幅増になった。前年の2018年は2けたのマイナス成長だったものの、2019年は金融を中心に、公益、製造、官公庁で基幹系システム更新の大型案件などがあり、2けたのプラス成長を記録しているとした。

 これに対して、RISCサーバーやIA64サーバー、ビジネスサーバー、スーパーコンピュータなどで構成される「その他のサーバー」は、前年比31.3%減の265億円と、2けたのマイナス成長。前年は通信、金融、官公庁の更新案件などがありプラス成長だったのに対し、2019年は前年ほどの大型案件がなかったという。

 なおベンダー別の売上額では、富士通が首位をキープ。以下、NEC、日本ヒューレット・パッカード(HPE)、デル テクノロジーズ(Dell Technologies)、日立の順となっている。