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国内サーバー市場規模、2018年の売上額は前年比7.6%増の5067億円~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は26日、2018年通年の国内サーバー市場動向を発表した。2018年の国内サーバー市場全体の売上額は5067億円で、前年から7.6%増加。出荷台数は52万9000台で、前年から2.8%増加した。

 製品別では、x86サーバーの売上額は、前年比15.6%増の4143億円となり、国内サーバー市場を牽引。クラウドサービスベンダーや、企業のデータセンター向けの大口案件、官公庁や文教におけるテクニカルコンピューティング用途の大口案件などがあり、出荷台数も前年比プラス成長となった。加えて、x86サーバーの平均単価が前年比で上昇し、売上額の成長に貢献したとしている。

 IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャーの下河邊雅行氏は、x86サーバーの平均単価が上昇した理由として、1ソケットサーバーの構成比が低下し、2ソケットサーバーの構成比が上昇するなど、ソケットケイパビリティ別のサーバー出荷台数構成比が変化したことと、x86サーバーに搭載するプロセッサーのコア数増加、これに伴うメモリや内蔵ストレージの容量増加、SSDやGPUの搭載など、出荷時のサーバー構成がよりリッチ(高仕様)になったことを挙げている。

 クラウドサービスベンダーを主な出荷先とするODM Directの売上額は前年比21.3%増の567億円、ODM Directを除いたx86サーバーの売上額は前年比14.8%増の3576億円となった。

 メインフレームの売上額は、前年比29.5%減の538億円。前年は金融、官公庁、製造における基幹系システム更新の大型案件があったが、今年はその反動で2桁パーセントのマイナス成長となった。

 x86サーバー・メインフレーム以外の「その他のサーバー」の売上額は、前年比6.2%増の387億円。通信、金融、官公庁におけるミッションクリティカル用途の更新案件などがあり、4年ぶりにプラス成長となった。

国内サーバー市場の推移:2014年~2018年(出典:IDC Japan)

 売上額によるベンダーシェアは、1位が富士通の23.2%、2位がNECの16.9%、3位が日本ヒューレット・パッカード(HPE)の14.6%、4位がデルの19.7%、5位がIBMの6.0%となった。

 1位の富士通は、メインフレームが前年にあった金融向け大型案件の反動で2桁のマイナス成長、その他のサーバーもマイナス成長だったが、x86サーバーは官公庁や文教におけるテクニカルコンピューティング用途の大口案件、官公庁における基幹系用途の大型案件などで2桁のプラス成長となったとしている。

 NECは、メインフレームが2桁パーセントのマイナス成長、x86サーバーもマイナス成長だったが、その他のサーバーが官公庁における更新案件で3桁パーセントのプラス成長となった。HPEは、x86サーバーが企業のデータセンター向けや、官公庁や文教におけるテクニカルコンピューティング用途の大口案件などでプラス成長となり、その他のサーバーは通信、金融向けミッションクリティカル用途の更新案件などがあったものの、成長率は前年から横ばいとなった。

 デルは、企業のデータセンター向けの大口案件など出荷が好調で、2桁パーセントのプラス成長。IBMは、メインフレームが前年にあった金融、製造向けの大型案件の反動で2桁パーセントのマイナス成長となったが、その他のサーバーは金融、製造向けの大型案件で2桁パーセントのプラス成長となった。

2018年 国内サーバー市場ベンダーシェア【売上額】(出典:IDC Japan)