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「OpenStack Days Tokyo 2019」「CloudNative Days Tokyo 2019」が7月22日・23日に開催へ

コンテナ/クラウドネイティブ色をより強く打ち出す

 クラウドテクノロジーに関する年次イベント「OpenStack Days Tokyo 2019 / CloudNative Days Tokyo 2019」が、2019年7月22日・23日に虎ノ門ヒルズフォーラムにて開催される。コンセプトは「+Native ~クラウドからクラウドネイティブへ~」。

 事前登録制の有料イベントで、価格(税込)は、6月21日までの早期割引が、パーティ込み6480円/イベントのみ4320円。それ以降の通常価格は、パーティ込み1万2960円/イベントのみ1万800円となる。

【編集部より】

なお、クラウド Watch読者向けの割引コード「clw20」を入力することで、さらに20%引きの特別価格で参加できる。6月21日までの早期割引時の価格は、パーティ込み5184円/イベントのみ3456円。それ以降は、パーティ込み1万368円/イベントのみ8640円となる。
イベント申し込みサイト
https://eventregist.com/e/cndt-osdt2019
割引コード:clw20

 両イベントを合わせて全100を超えるセッションを予定しており、同時開催トラック数は最大8(それとは別にトレーニングコースなども開催)。来場者数1200~1500名を見込む。

 なお開催に先立ち、イベント内容や注目セッションを解説する記者説明会が5月29日に行われた。また、OpenStackやクラウドネイティブの最新動向として、グローバルイベント「Open Infrastructure Summit Denver 2019」および「KubeCon + CloudNativeCon Europe 2019」の報告もなされた。

左から、OpenStack Days Tokyo 2019実行委員長 長谷川章博氏(AXLBIT)、日本OpenStackユーザ会 会長 水野伸太郎氏(NTT)、Cloud Native Days Tokyo 2019共同委員長 青山真也氏(サイバーエージェント)、Cloud Native Days Tokyo 2019共同委員長 草間一人氏(Pivotalジャパン)

Japan Container Daysと統合、よりコンテナ/クラウドネイティブ色が強く

 OpenStack Days Tokyoは、OpenStack Foundation(OSF)公認で毎年開催され、今年で7周年となるカンファレンスイベントだ。

 昨年のOpenStack Days Tokyo 2018は、クラウドネイティブ技術に関する「CloudNative Days Tokyo」と同時開催の形をとっていた。今年もCloudNative Days Tokyoの名称は同じだが、イベントの位置づけや体制が大きく変わっている。

 2018年には、別のイベントとして、CloudNative Foundation(CNCF)の支援を受けたコンテナ/クラウドネイティブ技術のカンファレンスイベント「Japan Container Days」が2回開催されていた。CNCFは、Kubernetesをはじめクラウドネイティブ関連のプロジェクトを多数ホストしている団体だ。今年は、このJapan Container Daysに旧CloudNative Days Tokyoが統合された形で、新たにCloudNative Days Tokyoの名前で開催される。

 このように、今年のCloudNative Days Tokyoは、CNCFに支援されたクラウドネイティブ専門イベントとして、いわばOpenStack Days Tokyoと対等の立場で併催される。言いかえると、よりコンテナ/クラウドネイティブ色が強くなったわけだ。

 新体制について、OpenStack Days Tokyo 2019実行委員長の長谷川章博氏(AXLBIT株式会社)は、「OpenStackとコンテナ/クラウドネイティブは、いっしょに語られることが多く、相性がよい」と説明した。

OpenStack Days Tokyo 2019実行委員長の長谷川章博氏(AXLBIT株式会社)
Japan Container Daysに旧Cloud Native Days Tokyoが統合されて、新Clod Native Days Tokyoに

クラウドネイティブへの「+Native」の情報が求められている

 イベントのコンセプトについては、CloudNative Days Tokyo 2019共同委員長の草間一人氏(Pivotalジャパン株式会社)が解説した。

 コンセプトの「+Native ~クラウドからクラウドネイティブへ~」というのは、これまでの「クラウド」の時代から、これからの「クラウドネイティブ」の時代に変わっていくことを、用語に「ネイティブ」が足されることとして表現しているという。

 といっても、多くの企業がすぐにクラウドネイティブを実践できるわけではない。クラウドネイティブに変わるにあたり、クラウドネイティブジャーニーのための情報が求められているというのが、「+Native」というコンセプトの意味だ。

 そのため、レベルや業界、情報の種類を絞らない方針だという。「さまざまなレベル感で、さまざまな業界へ、さまざまな情報で、+Nativeな情報をお届けする」と草間氏は語った。

CloudNative Days Tokyo 2019共同委員長の草間一人氏(Pivotalジャパン株式会社)
コンセプト「+Native ~クラウドからクラウドネイティブへ~」
さまざまなレベル感で、さまざまな業界へ、さまざまな情報で、+Nativeな情報を届ける

基調講演にはAirbnbや楽天モバイルが登場

 草間氏は注目セッションも紹介した。

 まず基調講演。Day 1には、OpenStack FoundationのCOOであるMark Collier氏が登場する。「現在とこれからのOpenStackの情報を生の声で語ってもらえるのではないかと思う」(草間氏)。

 同じくDay 1には、AirbnbのMelanie Cebula氏も登場する。Airbnbは現在、その巨大なサービスのKubernetesによるマイクロサービス化を進めており、実体験が語られることが期待される。

 Day 2の基調講演には、楽天モバイルのAshiq Khan氏が登場する。楽天モバイルはOpenStackによるNFVを採用しており、先進的な事例が語られる。

 同じくDay 2の基調講演には、SBペイメントサービス株式会社の鈴木順也氏も登場する。クレジットカード等によるオンライン決済のシステムの開発を外注していたのを、PCF(Pivotal Cloud Foundry)を使って内製に移行した話が語られる。

基調講演:OpenStack FoundationのCOOのMark Collier氏
基調講演:AirbnbのMelanie Cebula氏
基調講演:楽天モバイルのAshiq Khan氏
基調講演:SBペイメントサービスの鈴木順也氏

 そのほか、ブレークアウトセッションの注目セッションとしては、メルペイのKubernetes上のマイクロサービスの話や、Z LabのKubernetes拡張機能の活用の話、MobyやBuildKitメンテナーの須田瑛大氏(NTT)によるDocker最新機能解説などが紹介された。

 さらに、コンテナ技術に関する人気イベント「Kubernetes Meetup」コアメンバーによるパネルディスカッション「あなたにKubernetesは必要ですか? Kubernetesのこれからについて話し合おう」では、どのような会社にKubernetesが必要かについて討論するという。

ブレークアウトセッション:メルペイのKubernetes上のマイクロサービス
ブレークアウトセッション:Z LabのKubernetes拡張機能の活用の話
ブレークアウトセッション:須田瑛大氏(NTT)によるDocker最新機能解説
ブレークアウトセッション:パネルディスカッション「あなたにKubernetesは必要ですか? Kubernetesのこれからについて話し合おう」

OpenStackはOpen Infrastructureへ

 今回のイベントの背景となるOpenStackやコンテナ/クラウドネイティブの最新動向について、直近のグローバルイベントの報告もなされた。

 日本OpenStackユーザ会 会長の水野伸太郎氏(日本電信電話株式会社)は、4月29日から5月1日に開催された「Open Infrastructure Summit Denver 2019」(OpenStack Summitから改名)について報告した。

 新イベント名称に使われた「Open Infrastructure」という言葉について、基調講演でOSFのJonathan Bryce氏は「Collaboration without Boundaries」と説明したという。OSFは現在では、OpenStackそのもの以外のプロジェクトも傘下にとりいれており、コンテナ管理の「Airship」や、VMによるコンテナランタイムの「Kata Containers」、エッジコンピューティングの「StartingX」、CI/CDの「Zuul」などが活動している。

 水野氏は、基調講演のハイライトとして、Kata Containersで利用するハイパーバイザーにAWSが開発したFirecrackerがサポートされたこと、KubernetesでIronicのベアメタルサーバーを操作するインテグレーション、AT&Tが12月からOpenStackとKubernetes、Airshipを使った5Gサービスを開始したことを紹介した。

 また、OSFの動向としては、ブランディング強化により新しいロゴや新ドメインが作られた。また、OpenStackコミュニティで使われてきた開発環境を「OpenDev」の名でオープン化した。

 Open Infrastructure Summit全体の感想として水野氏は、「すでにOpenStackのみではなく、いろいろなコミュニティとのコラボレーションやユースケースの発掘が今後の鍵となっている」と語った。一方、OpenStack自体については、大きな機能追加はおおむね終了していることや、プロジェクト単体でほかのソフトウェアと組み合わせたユースケースの拡大が期待されていること、開発者不足が課題であり中国をはじめとしたアジアのエンジニアが注目されていることなどが紹介された。

日本OpenStackユーザ会 会長の水野伸太郎氏(日本電信電話株式会社)
OSFはいまでは幅広いプロジェクトをとりいれている
Kata Containersで利用するハイパーバイザーにAWSが開発したFirecrackerがサポートされた
KubernetesでIronicのベアメタルサーバーを操作するインテグレーション
AT&Tが12月からOpenStackとKubernetes、Airshipを使った5Gサービスを開始
OSFのブランディング強化により新しいロゴや新ドメインが作られた
OpenStackコミュニティで使われてきた開発環境を「OpenDev」の名でオープン化
Open InfrastructureやOpenStackの現状と今後

CNCFは「一度作ったものを整えているフェーズ」

 Cloud Native Days Tokyo 2019共同委員長の青山真也氏(株式会社サイバーエージェント)は、5月19日~23日に開催されたばかりの「KubeCon + CloudNativeCon Europe 2019」について報告した。

 青山氏はまず、「クラウドネイティブはKubernetesだけではない」とCNCFの定義を引きつつ、「ただし、イベント名のように、Kubernetesの存在感が強い」と説明した。

 Kubernetesはいま5周年で、キーノートでは歴史的背景や、応用例が多くあることが紹介されたという。「Kubernetesの本番運用は一般的になってきている」と青山氏は語った。

 最新のトレンドとしては、まず、Dockerと同様のCRIコンテナランタイムである「CRI-O」の普及が挙げられた。

 続いて、ステートフルなアプリケーションの広がり。CephクラスタのRookのv1.0.0がリリースされるなどの動きがあり、「あと1年もすると海外ではあたりまえになるかもしれない」と青山氏。

 3つめは新たな標準化。その1つとして、サービスメッシュの標準規格であるService Mesh Interface(SMI)が発表された。ただし、SMIは、サービスメッシュの実装であるIstioとメンバーがあまり重複していないのが少し気がかりだと青山氏はコメントした。

 4つめは、分散トレーシングのOpenCensusとOpenTracingの2つのプロジェクトがOpenTelemetryとして統合された。「これもある意味で標準化に近い」と青山氏。

 5つめはマルチクラスタの管理。Cluster APIというAPIにより、Kubernetesを簡単に構築して破棄できるようにするという。「発表されたのはKubeCon 2018 NAで、そのときはまだ微妙だったが、今回話を聞いて本格化しているのではないかと個人的に思った」と青山氏は語った。

 最後に青山氏は、CNCFの動向を「さまざまなプロジェクトをサンドボックスとして迎えいれつつ、標準化を推進している」とまとめ、「一度作って使われてきたものを、もう一度考えて整えていっているフェーズ」と感想を述べた。

Cloud Native Days Tokyo 2019共同委員長の青山真也氏(株式会社サイバーエージェント)
CRI-Oの普及
ステートフルなアプリケーションの広がり
標準化。サービスメッシュの標準規格であるService Mesh Interface(SMI)が発表
OpenCensusとOpenTracingの2つのプロジェクトがOpenTelemetryとして統合
Cluster API
CNCFの現状と今後