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帝国通信工業、社内に散在していたデータベース環境をOracle Database Cloudで一元化

 日本オラクル株式会社は20日、電子部品メーカーの帝国通信工業株式会社が、クラウド型データベースサービス「Oracle Database Cloud」を利用し、同社の生産管理システムを構成するデータベース基盤を刷新したと発表した。

 帝国通信工業では、生産管理システムを構成するデータベースとして、オンプレミス環境にOracle Databaseを導入していたが、生産システムの拡張に伴ってシステムを構成するデータベースも拡張され、データベースサーバーは、ロケーションの異なる9台の仮想サーバー上に散在していたという。

 また、このように分散した仮想サーバー上のデータベースを運用・管理するにあたっては、サーバーリソースによるコストだけでなく、パッチ適用などメンテナンスの手間がかかるため、情報システム部門の作業負担が課題になっていたとのこと。

 そこで帝国通信工業は、データベースの更新を機会に、こうした負担の軽減および運用コストの削減を目的として、より効率的なデータベースの運用管理を模索。データベースのクラウド移行を検討した結果、Oracle Database Cloudが採用された。

 同社は、9台の仮想サーバー上に散在していたデータベースを、Oracle Database Cloudの機能である「Oracle Multitenant」を活用して1台に集約し、統合データベースを構築している。

 なお移行前の検証については、自社のエンジニアがオラクルから提供される無償ハンズオントレーニングや無償トライアル環境を利用し、わずか1カ月で完了。その後2週間でクラウド移行および統合データベースの構築を実現し、2019年1月より稼働を開始している。

 こうしてデータベースサーバーが統合されたことで、パッチ適用、アップデートなど、管理者の運用管理負担が約40%削減され、新規テクノロジー分野での業務やプロジェクトへの参画が可能になったほか、クラウド移行を自社で行ったことにより、構築コストを削減。運用管理工数も削減され、トータルコストは以前と比べて35%削減されたとしている。

 あわせて、データ保護レベルが向上した点もメリットで、Oracle Database Cloudでは、自動的に三重のバックアップが適用されるため、運用管理工数なしに確実なデータ保護を実現したとのことだ。

 なお帝国通信工業では、さらなる効率的なデータベース運用および管理を目指しており、将来的には「Oracle Autonomous Database」の利用も検討している。