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カブドットコム証券、データベース基盤のテスト環境として「Oracle Database Cloud」を採用

 日本オラクル株式会社と株式会社アシストは29日、カブドットコム証券株式会社が、Oracle Databaseによるデータベース基盤のテスト環境として、データベースクラウドサービス「Oracle Database Cloud」と、テスト支援機能「Oracle Real Application Testing」を採用したと発表した。

 カブドットコム証券では、株式市場の活性化を受けて新規口座開設数、約定件数などが急増しており、東京証券取引所で「アローヘッド2」が導入されたことを契機に、株式の新発注基盤システム「RAIDEN」を2014年11月から稼働させた。

 そのRAIDENでは、データベース基盤として利用しているOracle Databaseのパッチ適用、アップデート作業が発生するが、それらを事前検証するための検証用環境の準備、正確かつ効率的なテストの実施などが課題になっていたという。

 そこで今回、RAIDENで利用しているデータベースにパッチを適用するにあたり、その構築当時から技術支援を提供しているアシストからの提案を受け、検証用環境として、本番環境のOracle Databaseと同等の機能をクラウドで提供するOracle Database Cloudと、パッチ適用前後のSQL非互換や性能テストの正確性向上およびテスト自動化を行うOracle Real Application Testingを採用した。

 ステージング環境に本番環境のアプリケーションをすべて再現し、テスト環境を構築するには多くの工数がかかるが、Oracle Database Cloudでは、比較的容易に環境構築を実行可能。またOracle Real Application Testingのライセンスが含まれることも評価されたとのこと。

 なお、これらの採用決定後、テスト環境はアシストによる支援を受けて迅速に構築された。この環境では、約1万3000件におよぶSQLの非互換や性能テストにかかる工数を約40時間で完了でき、従来と比べて工数を75%削減できたという。また、本番環境のほぼすべてのSQLをテストできたことから、テストの網羅性も大幅に向上した。

 カブドットコム証券では今後、Oracle Database CloudとOracle Real Application Testingの組み合わせを、パッチ適用前テストの社内標準にしていく方針。また、網羅性の高いテストが簡単かつ迅速に実施できるようになったことから、パッチ適用を計画的・定期的に実施し、適用の頻度も上げることで、システムのさらなる安定稼働を実現するとしている。