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TISとNutanixが提携、企業のレガシーシステム刷新を共同で支援

モダナイゼーションサービスの移行先にNutanixの基盤を推奨

 TIS株式会社とニュータニックス・ジャパン合同会社(以下、ニュータニックス)は1日、メインフレームをはじめ、企業内のレガシーシステム刷新を支援するために協業すると発表した。

 現在の企業では、競争力強化などのために新たなデジタル技術を利用し、新規製品・サービスの創出に取り組むことが求められてきた。しかし、こうしたデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めようと思っても、日本の企業には老朽化したシステムが多く、そのお守りのためにコストやリソースが割かれてしまうため、そうした“技術的負債”がDXの推進を阻害してしまっているという。

 こうした課題を持つ企業を支援するために、TISではレガシーシステムをオープン化する「Xenlon~神龍 モダナイゼーションサービス」(以下、Xenlon)を提供しており、メインフレーム資産などのオープンシステムへの移行と、その後と最適化・最新化を支援してきた。

 「Xenlon」の特徴は、Lift(技術的負債の解消)&Shift(システム最適化・最新化)の2ステップでモダナイゼーションを実現している点で、Liftでは、リライト主体のマイグレーションで早期にオープン化を実現。その後のShiftで、最新技術・サービスを俊敏に取り入れられる、拡張性の高いシステムへとリノベーションさせている。

Xenlon~神龍 モダナイゼーションサービス

 今回の協業では、「Xenlon」による移行後のシステム基盤として、ニュータニックスが提唱しているEnterprise Cloud環境を第一に推奨。オンプレミスのニュータニックスのHCI製品群、TISのプライベートクラウド、AWSやAzureといったパブリッククラウドなどを必要に応じて組み合わせていくことになる(もちろん、単一環境の利用も可能)。

協業のイメージ

 TIS インダストリー事業統括本部 公共事業本部 モダナイゼーションビジネス事業部の矢野学氏は、「『Xenlon』によるオープン化後のシステム移行先として、中には、いきなり『すべてをクラウドに』という企業もあるが、ふつうは基幹システムのクラウド移行はハードルが高く、お客さまにあわせて、オンプレミス、プライベートクラウド、パブリッククラウドといったプラットフォームを個別に提案していたSI型だった』と、従来のビジネスを説明。

 その上で、「しかし現在では、市場のクラウド指向の高まりが無視できなくなっており、ニュータニックスと当社の目指すところが合致していたので、今回の提携となった。ニュータニックスの基盤であれば、(移行先として)まずはオンプレミスを選択したとしても、今後のクラウド展開を容易に行えるメリットもある」と、提携の経緯に触れた。

TIS インダストリー事業統括本部 公共事業本部 モダナイゼーションビジネス事業部の矢野学氏

 なおTISは、ニュータニックス製品の導入実績を多くの有するだけでなく、ユーザー企業でもあり、国内最長クラスの本番運用実績があるという。クラウドサービス「TIS ENTERPRISE ONDEMAND Service - HOSTED PRIVATE Service」の基盤としてもニュータニックス製品を採用していたり、100名を超える有資格者が在籍するなど、長年にわたって関係を築いてきた。

 同社ではこうした実績を生かして、ニュータニックスのEnterprise Cloud環境を「Xenlon」による移行先とする共同営業を、2月よりスタート。セミナーの共催を含めたプロモーション活動も共同で推進し、「早ければ2019年度の半ばにはファーストユーザーを獲得したい」(TISの矢野氏)とした。

 なおTISでは、関連するサービスを含めて、2022年までに50億円規模の受注を目指すとしている。

TIS インダストリー事業統括本部 公共事業本部 モダナイゼーションビジネス事業部の矢野学氏(左)と、ニュータニックス コーポレートマネージングディレクター兼社長の町田栄作氏