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NTTコムウェア、ドローンやMRなどを利用したスマートメンテナンスソリューション

 エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社(以下、NTTコムウェア)は22日、ドローンやAI、MR(複合現実)を活用したスマートメンテナンスソリューションを、2018年度末より提供開始すると発表した。

 このソリューションでは、ドローン運用業務の支援や運用ノウハウの共有に役立つポータルシステム「ドロポ」と、デジタル空間上での直感的な目視点検・診断・記録を実現する「KnowledgeMap 4D」の2つの新製品と、すでに販売開始している画像認識AI「Deeptector」、MR技術を用いた開発中のツール「KnowledgeMap xR」を組み合わせ、社会インフラのメンテナンスにかかわるデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するという。

 新製品のうちドロポは、ドローンやパイロット、撮影データなど、ドローンを導入・活用する際に必要となる情報を一元管理するソリューション。NTTグループが設備点検業務で培った知見をもとに開発したもので、ドローンやパイロット、フライトや撮影データの管理など、業務にドローンを導入する場合に必要となる計画、管理といった付帯業務を支援し、ドローンを活用した業務効率化を実現する。

 一方のKnowledgeMap 4Dは、ドローン航行による写真撮影、センサーデータなど取得した情報を基に点検対象を3D化し、仮想空間上での点検業務を実現するソリューション。点検対象の劣化状況を写真と3Dモデルで直感的に把握、管理することが可能という。

 また、写真上に不具合点検・登録・報告業務ができるアノテーションツールを備えており、同じ通信インフラの過去に撮影した写真を時系列にて管理することで、経年劣化状況の把握が可能。サビや剥がれなど、不具合の種類と劣化度合いを熟練者が写真上に登録することで、ノウハウが反映された点検・診断結果が蓄積される。

 そして、この蓄積データを、画像認識AI「Deeptector」に教師データとして繰り返し学習させることにより、不具合個所の自動検知・解析が可能になるとのことで、レベル判定の均一化や見逃しの防止など、点検業務に役立てられるとした。

 このソリューションは、2018年度内にトライアル版を提供予定する予定。

 現在開発中のKnowledgeMap xRは、MR技術を活用することで、ドローン飛行、保守点検業務を支援するアプリケーション。

 ドローン飛行支援機能では、MRに対応したヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着することで、現実のドローンを見ながら、リアルタイムでテレメトリーデータ・飛行ルート・撮影位置・撮影画像などを現実空間上に浮かび上がらせ、パイロットの安全・正確なドローン飛行を支援する。

 一方、保守点検業務支援機能では、KnowledgeMap 4Dで管理する不具合個所の情報を現実の点検対象の上に重ねて表示することが可能。これにより、点検漏れを抑止するほか、作業手順などを自動表示して確実で安全な補修作業を支援するとした。

 現在は、2019年度の実用化を目指し開発が進められている。