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サーバーワークスがJAXAを支援、緊急観測データ配信ツールのAWS移行で

 株式会社サーバーワークスは27日、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)が、被災地の画像を提供するツール「だいち防災WEBポータル」のクラウドサーバー基盤をAWSに移行したと発表した。

 「だいち防災WEBポータル」は、国内で自然災害が起きた時に、人工衛星から撮影した被災地の画像を、自治体などの関係者に提供するためのポータルサイト。緊急時にこのポータルを確実に作動させるため、サーバーインフラには、高可用性、高いBCP対応、高速性、緊急時以外の低コスト運用といった4点の要件が求められていたが、これを満たすものとしてAmazon Web Services(AWS)を採用した。

 そのインフラ構築の入札は2016年2月に行われ、要求書に記載した要件を満たした上で、最も競争力のある価格を提示したサーバーワークスをインフラ構築の事業者として選定。同年2月末より設計・構築を開始し、3月末には所定の作業はすべて完了したという。なお、ポータルの実運用は2017年11月より開始されている。

 新たな環境では、画像処理を高速化するべく、アプリケーション側で最大10プロセスが並列動作する仕様で設計されており、並列処理に十分に耐えうるサーバーインフラが構築できたとのこと。また、従来の環境では衛星が撮影した画像を転送する際の速度に課題を抱えていたが、従来比でデータ転送スピードも4倍になったという。

 さらに、AWSのサービス体系では、サーバーよりもAmazon S3の方がデータ保存の費用が安くなることから、処理済み画像データをAmazon S3へ自動転送する仕組みを、Lambdaを利用して構築している。