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DCIM市場は国内でも拡大、5年で約4倍弱の規模に~IDC Japan予測

 IDC Japan株式会社は16日、国内データセンターインフラストラクチャマネージメント(DCIM)市場予測を発表した。

 DCIMとは、データセンターやサーバールーム内のICT機器(サーバー、ストレージ、ネットワーク機器など)や電源装置、空調設備、サーバーラックなどの管理を行うパッケージソフトのこと。これらの機器や設備の資産管理、変更管理とともに、消費電力の監視、サーバールームの温度監視などによって、データセンター内の機器や設備の運転状況、稼働状況を一元管理するための機能を備えている。

 データセンターにおける運用効率の改善や電力コスト削減の手段として、2013年ごろから国内でも本格的に販売が始まっているが、国内での導入はまだ進んでおらず、2016年の市場規模は約9億円にとどまっているという。

 IDC Japanではその理由として、導入効果の評価が容易ではないことを指摘する。中でも電力コストの削減効果を判断するためには、春夏秋冬を通じた冷却コストの評価を実施する必要があることから、最短でも導入後1年経過しないと導入効果を客観的に評価できないとのこと。

 しかしデータセンターサービス市場の競争は激化しており、データセンター事業者ではデータセンター建設コストの回収が厳しくなっているほか、データセンターにおけるクラウド環境の実装拡大がより多くの電気設備や冷却設備を要求する影響で、データセンターの建設コストが上昇する傾向にあることなどから、事業者データセンターでは、データセンターキャパシティを無駄なく効率的に利用する必要に迫られると、IDC Japanは指摘。

 DCIMがそのためのツールとして活用されることで、国内のデータセンターでも導入が加速し、2016年~2021年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は30.5%、2021年の国内DCIM市場は約35億円と、IDC Japanは予測している。

 ただし、当面のDCIM導入はデータセンター運転状況の可視化を目的としたものが多い傾向が続くと分析。「DCIMの導入効果をフルに実現するためには可視化するだけでは足りず、可視化された運用状況データを分析し、その結果を運用プロセスに組み込むことが重要」と、IDC Japan ITサービス リサーチマネージャーの伊藤未明氏はプレスリリースの中で述べている。

国内データセンターインフラストラクチャマネージメント(DCIM)売上額予測、2016年~2021年(出典:IDC Japan)