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「クラウドEXPO」レポート、ニフティやネオジャパン、サイボウズ、F5などの最新製品が展示
DC向け最新製品を展示するデータセンター構築運用展も
(2015/5/14 06:00)
東京ビッグサイトで5月13日から15日まで、「第6回クラウドコンピューティングEXPO【春】」など12のIT専門展を併催する「Japan IT Week 春 2015」が開催されている。1500社が出展する国内最大級のIT展示会で、展示会場も東京ビッグサイトの東1~6ホール、西1~2ホールとほとんどの展示ホールを使用。商談展のため一般客の入場は受け付けていないが、多くの来場者を集めている。
ここでは、「クラウドコンピューティングEXPO」を中心に展示を紹介する。
ニフティクラウドのエンタープライズ向け展示
ニフティはニフティクラウドについて展示。特に今回は、エンタープライズに絞って展示しているという。そのため、14社のパートナーによるソリューションを前面に出している。
また、オンプレミスからの移行やハイブリッドクラウド、構築運用の自動化、DR(ディザスタリカバリ)などのサービスを展示。2014年に開始したエンタープライズ向けの高コストパフォーマンスプラン「Type-e」も大きく取り上げている。
そのほかでは、IoTについても展示。11日に発表された、IoT向け軽量通信プロトコルMQTTのサービスの説明とデモをしている。ニフティによる歩数計アプリ「WalkOn」や、スマートフォンからクラウド経由で部屋のモニターや操作をする「おへやプラス」についても展示していた。
サイボウズ、kintoneのIoTへの応用など
サイボウズのブースでは、ビジネスアプリ作成プラットフォームkintoneのIoTへの応用について展示している。実例として紹介されているのが、野菜工場で野菜を生産するNKアグリ。温度や湿度などのセンサーを含め、kintoneにまとめたデータをもとに生産予測を精度向上につなげているという。同様に参考出展として、ドアの開閉を加速度センサーで検出してkintoneにまとめて高齢者の安否を確認する例や、騒音データをAWSで前処理した結果をkintoneで管理する例が紹介された。
そのほか、ノーツからガルーンへの移行ソリューションや、メールやExcelからのワークスタイル変更、kintoneと基幹システムの組み合わせ、Pepperからkintoneにデータを入力するツールなどを展示していた。
F5、ソフトウェアベースのHTTP負荷分散製品を展示
F5ネットワークスジャパンのブース(データセンター構築運用展内)では、12日に国内発表されたHTTP負荷分散製品「F5 LineRate」を展示している。買収したLineRate Systemsの技術をもとにしたソフトウェアアプライアンス製品で、Node.jsが組み込まれている。
カスタマイズのできない下位版の「F5 LineRate Point」と、JavaScriptでプログラミングできる上位版の「F5 LineRate Precision」の2製品からなる。仮想アプライアンス、Amazonマシンイメージ(AMI)、ベアメタルイメージの3つの形式で提供。
F5では「デベロッパー向けADC」と位置づけており、サブスクリプション方式で直販する。スループットとコネクション数により料金プランが設定されており、最小プランで月39ドルから(そのほか無料プランも用意)。F5の統合管理プラットフォーム「BIG-IQ」に対応しており、ADC製品のBIG-IPと組み合わせて利用することも想定されている。
Akamaiのセキュリティサービス
アカマイ・テクノロジーズ(Akamai)のブース(情報セキュリティEXPO内)では、DDoS対策とWAF(Web Application Firewall)のセキュリティサービスを展示している。CDN(コンテンツデリバリー)のために世界中に17.5万台以上のサーバーが設けられているプラットフォームをベースに、DDoS緩和とWAFの「Kona Site Defender」、DDoS緩和に特化した「Prolexic Routed」、DNSへのDDoS攻撃を吸収する「Fast DNS」が解説されている。
また、世界各地からDDoS攻撃に対応するマネージドセキュリティサービスの拠点であるAkamai SOC(Security Operation Center)も紹介。東京SOCも3月に設けられた。
ネオジャパン、地図システムを参考展示
グループウェア製品「desknet's NEO」を販売するネオジャパンのブースでは、実験的に開発した地図システムを展示している。現在のところ製品の形ではなく、来場者の意見を聞くために参考展示したという。
実装された機能は2つ。1つは、GPS情報をもとに運搬トラックなどの現在地や行動履歴を地図に表示する機能。2つ目は、取引先の会社などの位置を地図上に表示する機能だ。後者では、社名からの検索や、エリア内検索、検索結果からの情報編集なども備えている。
HDEのクラウドセキュリティ製品
HDEのブース(情報セキュリティEXPO内)では、クラウドセキュリティサービス「HDE One」を展示している。Office 365やGoogle Appsなどのクラウドサービスについて、アクセス元を制限する「アクセスセキュリティ」や、電子証明書によるデバイス認証やセキュアブラウザの「デバイスセキュリティ」、クラウドメールのフィルタリングやアーカイブを提供する「メッセージングセキュリティ」からなる。
Black Duck、OSS検出と脆弱性情報管理の製品
「OSSNEWSパビリオン」ブースでは、オープンソースソフトウェア(OSS)関連の企業5社が展示。その中でブラック・ダック・ソフトウェアは、自社が構築したシステムで使っているOSSを検出しその脆弱性情報を管理する「Black Duck Hub」を展示している。
Pure Storageが掲げる「ディスクストレージ時代の終焉」
ピュア・ストレージ・ジャパン(Pure Storage)のブース(データストレージEXPO内)では、「ディスクストレージ時代の終焉」と挑戦的なキャッチフレーズを掲げて、同社のエンタープライズ向けオールフラッシュストレージ製品を紹介している。プライマリーストレージとしてディスクを置き換えることを目指し、インライン重複排除とデータ圧縮により実データ量単価をおさえつつ、オールフラッシュの高IOPSと、エンタープライズの信頼性を実現するという。
データセンターのコストを20年で52億円削減
NTTファシリティーズのブース(データセンター構築運用展内)では、「DC執事(バトラー)」と題して、データセンターのライフサイクルコスト(LCC)を20年で約52億円削減するという取り組みを紹介している。設計時点から設備更改、保守・補修、光熱費削減までトータルでLCCを削減するという。
コンパクトにまとめられた「HVDC可搬式ラック」
NTTデータ先端技術のブース(データセンター構築運用展内)では、高電圧直流(HVDC)対応製品を開発する各社の製品を展示している。さらに、2ラック程度を想定しているHVDC給電システムを、試験運用などのためにコンパクトなラックにまとめた40kW出力の「HVDC可搬式ラック」を展示していた。
シュナイダーのDCIM製品やUPS、空調、ラック
シュナイダーエレクトリックのブース(データセンター構築運用展内)では、DCIM(Datacenter Infrastructure Management)製品や、最大500kWまでのUPS製品、空調、ラックなどを展示している。