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ニフティクラウドとヤマハルータによるハイブリッドクラウドの実現
ヤマハ ネットワーク製品アップデートセミナー2015
(2015/11/17 09:00)
SCSK株式会社は12日、「ヤマハ ネットワーク製品アップデートセミナー2015」を開催。その中で、「ニフティクラウドとヤマハルータで実現するハイブリッドクラウドの世界」と題して、ニフティ株式会社 クラウド事業部 クラウドインフラ部の蓮沼慎太郎氏による講演が行われた。
ニフティは「NIFTY-Serve」によるパソコン通信サービスに始まり、ISP、Webサービス、そしてIaaS、PaaS、mBaaS、IoTなどのクラウドサービスと、長年にわたって国産のネットワークサービスを支えてきた企業である。
サービス開始から今年で5周年を迎えるニフティクラウドは、国産ならではの高い信頼性によって、ネットワークゲームやキャンペーンサイトなどの利用をはじめ、エンタープライズのユーザーも増加しているという。蓮沼氏は「2015年7月現在で4,000件以上の案件導入実績がある。ニフティクラウド上で展開しているサービスによって、推定で3000万人を超えるユーザーを支えるインフラになっている」と述べた。
蓮沼氏は「パブリッククラウドは可用性が高く、急なリソースの増強にも対応できる柔軟性がある。一方、オンプレミスはリソース占有型で性能が保証されており、5年以上継続して利用するのであればパブリッククラウドよりもコスト的には有利」と述べ、それぞれにメリットがあることを強調した。
そこで同氏は、エンタープライズでクラウドサービスを利用する場合には、オンプレミスとパブリッククラウドを組み合わせた「ハイブリッドクラウド」を検討することを推奨している。
ハイブリッドクラウドは、オンプレミスとパブリッククラウドをVPNで接続することで実現する。ニフティクラウドはL2TPv3/IPsecによるL2接続が可能であるため、オンプレミスにあるヤマハのルータとニフティクラウドをL2で接続し、パブリッククラウド上にあるサーバーを同一セグメント上にあるサーバーのように扱うことができるようになるという。
蓮沼氏は他社のルータよりもヤマハのルータが優れている点として、「IPsecのみのルータと違ってL2TPv3/IPsecに対応しており、パフォーマンスも高い。他社に比べて低コストであるにも関わらず、性能が高く、費用対効果が高い」と述べている。蓮沼氏がニフティ社内のエンジニアにヤマハルータの良さを聞いたところ、「UIの操作性が良い」「信頼性が高い」「Lua(スクリプト)が使えて最高」「RTX1210は感動した」などの回答を得たという。
また、実際にどの程度のパフォーマンスがでるのか実測してみたところ、RTX1210とニフティクラウドのVPNゲートウェイのTCP転送は最大で580Mbpsのスループット記録したという。
ニフティクラウドのVPNゲートウェイの設定画面には、ヤマハのルータ製品の設定コマンドがユーザーの構成にあわせて表示される機能があり、ユーザーはこのコマンドをそのままコピー&ペーストするだけで、簡単にニフティクラウドとオンプレミスのハイブリッドクラウド環境が実現できる。
また、ヤマハの公式ヘルプページにおいても、ニフティクラウドへの接続方法が記載されていることから、両社は相互に良い関係にあるようだ。
ハイブリッドクラウドの利用方法として蓮沼氏は、「テスト環境などの一時的なリソースの増強」や「各拠点の情報をクラウドで集約して解析するためのクラウドハブ」などの例を挙げた。
また、蓮沼氏はIPアドレスを変更することなくクラウドに移行する方法として、以下の方法を紹介している。この方法でシステムを移行すれば、ネットワーク構成を変更することなくオンプレミスからクラウドへシステムを移行することができるという。
1.移行したいオンプレミスの構成を確認する
2.クラウド上にオンプレミスのネットワークを構築する
3.VPNゲートウェイを設置する
4.移行元のサーバーをイメージ化する
5.イメージをクラウド上にインポートする
最後に蓮沼氏は「ぜひニフティクラウドとヤマハルータで、低コストで高性能なハイブリッドクラウドを実現しましょう」と述べ、ヤマハルータを強力にサポートしていることをアピールした。