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ヤマハ、小規模単拠点向けの無線LANルーターを参考展示 100GbEアップリンク対応スイッチも
Interop Tokyo 2025 ブースレポート
2025年6月12日 00:00
最新のICT技術やソリューションを体験できるイベント「Interop Tokyo 2025」の展示会が、6月11日から13日まで開催されている。
ヤマハ株式会社のブースでは、5月に発表された小規模拠点向けVPNルーター「RTX840」(8月販売開始予定)が展示されている。
ルーター製品ではそのほか、かつてのNetVolanteシリーズと同様の、小規模単拠点~家庭向けWi-Fiアクセスポイント内蔵ルーターが参考展示されていた。
また、ネットワークスイッチ製品では、100GbE/25GbEのアップリンクに対応した10GbE L2/L3スイッチ製品が参考展示されていた。
そのほか、従来製品のルーターやスイッチ、UTM、仮想ルーター、ビデオ/音声会議製品なども展示されている。
なお、ヤマハのネットワーク機器事業は25年3月に30年を迎え、そのことがブースでも掲げられていた。
小規模拠点向けVPNルーター新製品「RTX840」を展示
RTX840は、従来モデルRTX830の後継となる小規模拠点向けVPNルーターだ。メモリを増量し、NATおよび動的フィルターの最大セッション数を拡大している。比較的、マイナーバージョンアップ的な位置づけにあたる。
その中で大きな特徴としてブースで説明されていたのが、特定の接続先について拠点からセンタールーターを経由せずに直接インターネットに接続する「ローカルブレイクアウト」を、手軽に利用できるようになったことだ。大手クラウドサービスの接続先IPアドレスは変更もあるため、ローカルブレイクアウトの設定の維持管理に手間がかかる。そこでRTX840では、定義された通信先リストをヤマハから定期的に配信することで、常に最新の情報に基づいた通信制御を行える。
NetVolante規模向けWi-Fiアクセスポイント内蔵ルーター「NWR100」が参考展示
プロトタイプが参考展示されていた「NWR100」は、ブースの説明によると「NVR510と同程度の、10~20台の規模を想定」した、Wi-Fiアクセスポイント内蔵の小規模単拠点~家庭向けルーターだ。Wi-FiとしてはWi-Fi 6対応。
秋ごろの発売を目指して開発中だという。なお、「電話関連の機能は省いている」との理由で、NetVolanteシリーズとは別シリーズとして併売になるとの話だった。
特徴として、ダッシュボードに無線やネットワークの状態を監視して“健康状態”を可視化する「ウェルネスモニター」機能を装備する。周辺の電波環境を「無線LAN情報ボード」で調べたり、端末との接続が切断された状況を「接続接続フロー」で確認したり、端末一覧を表示したりできる。
100GbEと25GbEのアップリンクポートを備えた10GbE L2/L3スイッチが参考展示
ネットワークスイッチ製品では、100GbE(QSFP28)と25GbE(SFP28)のアップリンクポートを備えたL2/L3スイッチのプロトタイプが参考展示されていた。年内にリリース予定だという。
L2スイッチは、インテリジェントL2スイッチ「SWX2320-30MC」と、そのPoE対応タイプ「SWX2322P-30MC」が展示されていた。10GBASE-T×24ポートと、SFP28×4ポート、QSFP28×2ポートを備える。「SWX2322P-30MC」のPoE給電は、トータルで最大720W、1ポートあたり最大90W。
また、放送通信などで使われる高精度の時刻同期プロトコルPTPv2(BC)に対応するという。
L3スイッチは、SWX2320-30MCと同じポート構成の「SWX3220-30MC」と、10GBASE-T×24ポートの代わりにSFP+×20ポートと10GBASE-T×4ポートを備えた「SWX3220-30TCs」が展示されていた。電源を2系統接続して冗長化できるようになっている。
この参考展示された2シリーズは、実際に今回のShowNetでも、Media over IPや無線LAN用ネットワークなどで稼働しているという。
なお、これらにあわせて、25Gのネットワークケーブル「YAOC-25G-1M」と100Gのネットワークケーブル「YAOC-100G-1M」もプロトタイプとして参考展示されていた。