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シスコが「Cisco Nexus HyperFabric」やWi-Fi 7アクセスポイントを展示、Juniperは次世代FW「SRX4700」を出展
2025年6月18日 06:30
最新のネットワーク技術を中心としたICT技術やソリューションのイベント「Interop Tokyo 2025」の展示会が11日、千葉県千葉市の幕張メッセで6月11日から13日まで開催された。
Cisco:クラウド管理の新設計スイッチ「Cisco Nexus HyperFabric」などを展示
シスコシステムズ(Cisco)のブースの「Cisco Solutions」では、すべてクラウド管理の新設計スイッチ「Cisco Nexus HyperFabric」が展示されていた。国内初展示だという。
WebのGUIで設定管理ができる。例えば、スイッチのポートを実際の並びから選択し、状態やトラフィック量などを確認できるという。
1台1台に接続して設定するのは不要。実際にスイッチが納品される前からクラウドで設定を組め、実機が届いたらすぐに使うことも可能。Ciscoの見積もりツールとも連携し、機器やサブスクリプション、ケーブルなどの関連製品を注文できる。これにより、例えば対応していないケーブルを注文してしまうことも防げるという。
もう1つ、ブースの説明で強調していたのが、アサーション(assertion)ベースのモニタリング機能だ。一律の異常な状態に対してアラームを出すだけではなく、設定しておいたネットワーク構成や使い方から外れた状態に対してアラートを出すという。例えば、使わない設定になっているポートがリンクダウンになっても問題はないが、リンクアップになったら誰かが間違ってケーブルを挿した可能性があるのでアラート、のように動作するとのことだ。
CiscoのWi-Fi 7アクセスポイントは、現在、CW9178I、CW9176D1、CW9178I、CW9172I、CW9172Hの5機種。最もハイエンドのCW9178Iで、16空間ストリームに対応する。
Wi-Fi 7対応機種から、クラウド管理のMerakiとオンプレミス管理のCatalystの2つのWi-Fi製品ラインが統合されたのも特徴だ。同一製品でどちらの管理方法のライセンスも選べ、変更もできる。
なお、CiscoのWi-Fi 7アクセスポイントは、Interop Tokyo 2025で出展企業の製品やサービスを表彰する「Best of Show Award」において、モバイルコンピューティング(Wi-Fi)部門の審査員特別賞を受賞した。
Wi-Fi関連では、「Campus Gateway」も展示された。MerakiのWi-Fiアクセスポイントとクラウド管理との間に入る製品で、主に中小規模向けなMerakiをスケールさせることができるという。
なお、Campus Gatewayは、「Best of Show Award」において、モバイルコンピューティング(Wi-Fi)部門のグランプリを受賞した。
そのほか、Ciscoが2024年12月に発表した、WebexミーティングでApple Vision Proを使って3Dコラボレーションをする「Cisco Spatial Meetings for Apple Vision Pro」も展示されていた。
Juniper:1Uで最大1.4Tbpsのファイアウォールやコンパクトスイッチなどを展示、Mistの位置情報を使ったセルフツアーも
ジュニパーネットワークス(Juniper)のブースでは、データセンター向けの高性能製品から、キャンパス向けのAI管理対応製品まで、各分野の製品が展示されていた。
Juniperの次世代ファイアウォール「SRX4700」は、Interop Tokyo 2025で出展企業の製品やサービスを表彰する「Best of Show Award」において、セキュリティ(ハイパフォーマンス)部門の準グランプリを受賞した。日本初展示だという。
データセンターのインターコネクトなどに向けて設計されている。特徴は、1Uの小型サイズで、最大1.4Tbpsのスループットを出す点だ。400GbE×2と100GbE×8、50GbE×16のポートを持ち、全ポートMACsec対応。JuniperのTrio ASICを搭載する。
ブースの説明では、通常は数Uになるスペックを1Uに収めており、設置や電力消費などで有利とのことだった。
Juniperのコンパクトなスイッチ「EX4000」は、「Best of Show Award」において、ネットワークインフラ(エンタープライズ)部門の準グランプリを受賞した。これも日本初展示だという。
ブースの説明によると、小型ながら、10GbE/2.5GbEやPoE++対応などポート構成が強化されていることが評価されたとのことだった。
また、ネットワークOSのJunosの機能を削ることで、2分弱で通信できるところまで起動時間を短くしたとのことだった。例えばアップデートして再起動するときに再起動時間が短くなる。
そのほか、Mistクラウドに対応するため、アクセスポイントなど一連のキャンパス製品といっしょに運用でき、見える化やAIによる予兆検知などで運用負荷を下げる。
Juniper 800G LPO(Linear Pluggable Optics)トランシーバーは、「Best of Show Award」において、ネットワークインフラ(キャリア/ISP)部門の審査員特別賞を受賞した。
光ファイバーの両端で光を送受信するトランシーバーでは、消費電力の4割をDSPが占めるという。そこでDSPの機能をASICに寄せることでトランシーバーからDSPをなくし、消費電力を削減し、低遅延を実現し、発熱も下がるという説明だった。
なお、Interop会場ネットワークであるShowNetのラックでも、Juniperの800Gbps製品でLPOトランシーバーが使われた。光ファイバーのもう一端をLPOではないトランシーバーにした構成でのインターオペラビリティも確認されたとのことだった。
ShowNetブースでは、事務局のレンタルタブレットを持ってラックの前に立つと、位置情報をもとに解説が表示される「ShowNetセルフガイドツアー」も用意された。
これはMistのWi-Fiアクセスポイントの屋内位置情報技術を利用したものだ。そこで、ShowNetと同様にJuniperブースでもセルフツアーが用意されていた。
Wi-Fiアクセスポイントとして、Wi-Fi 7対応のAP47シリーズも展示されていた。無指向性アンテナのAP47と、指向性アンテナのAP47Dがある。