週刊海外テックWatch

GitHub Copilot課金変更の衝撃 エージェントAI時代に崩れる「定額」の前提

 GitHubがAI開発支援ツール「GitHub Copilot」の主要プランを、従来の定額サブスクリプション中心の料金体系から「クレジットプール制」へ移行した。クレジットを使い切ると追加利用分が課金される。「安定したサービスと持続可能なCopilot体験を提供するため」というが、ユーザーからは大幅なコストアップになるとの悲鳴が上がる。このところ、同様の動きが業界全体で相次いでいる。エージェントAI時代の利用料金はどうなるのか――。

切り替え初日、「クレジットが消えた」

 「4時間以内に月間200クレジット(2ドル相当)を全額消費した」。ある学生ユーザーは、GitHubコミュニティフォーラムにこう投稿した。6月1日の切り替え当日、フォーラムには学生専用スレッドが即日立ち上がり、「消えた報告」が次々と寄せられた。「15分の作業で月間全額が消えた」「1回の実行で80.6クレジット消費し、次の2回で完全枯渇した」「前月は1日20~25リクエスト使えていたのに、新制度では5リクエストで終わった」

 上位プランも例外ではない。「Pro+」(月額39ドル)のユーザーは「2時間で月間割当の8%を消費した。このペースでは2日以内に枯渇する」。別のユーザーは1セッション(Webサイト修正)でPro+月間割当の16%(1180クレジット)を消費し「ほぼ何も得られなかった」と記した。1リクエストで6ドル超の請求が生じたケースも報告された。

 GitHubは過去2年間、エージェント機能を積極的に推奨・訴求してきた。突然、その使い方が高額請求の理由として返ってきたため、多くのユーザーが「信頼を裏切られた」と感じている。他サービスへの乗り換えを宣言するコメントも多く、Cursor、Windsurf、Claude Code、OpenRouter、LM Studioなどの名が上がっている。

 この変化について、The Registerは、AIコーディングがソフトウェアとして価格設定されてきた建前と、実態のコンピュート(計算資源)課金との矛盾が露わになった、と指摘する。

 課金方式を変更したサービスは初めてではない。Windsurfは3月19日に日次・週次クォータ制に移行し、Proプランを月額15ドルから20ドルへ値上げした。OpenAIは4月、「Codex」をトークン消費連動型に切り替えた。CursorもProプランを、リクエストベースから月額20ドルに含まれる利用枠を消費する方式に移行している。

 それでもGitHub Copilotの移行は開発者コミュニティにとりわけ大きな衝撃を与えた。4月27日の公式ブログでGitHub最高製品責任者のMario Rodriguez氏が発表した新制度では、Pro(月額10ドル)・Pro+(同39ドル)はサブスクリプション費用と同額のクレジットが毎月付与されるが、使い切れば追加課金が発生する(コード補完とNext Edit suggestionsは、全ての有料プランで引き続きクレジットを消費しない)。

 従来の「低コストモデルへの自動切替」という「安全網(fallback)」がなくなったのだ。