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GitHub、「GitHub Copilot」のマルチモデル対応、自然言語によるアプリ作成が可能な「GitHub Spark」などを発表

年次イベント「GitHub Universe 2024」基調講演レポート

高橋正和

2024年10月30日 14:04

　米GitHubは年次イベント「GitHub Universe 2024」を、米サンフランシスコにて10月29日～30日（米国時間）に開催している。今回はGitHub Universeの10周年にあたる。

　初日の基調講演では、AIによるコーディングアシスタント機能「GitHub Copilot」関連を中心にいくつかの新発表がなされた。

GitHub Universe 2024

GitHub Universe 2024会場入り口

GitHubのCEOのThomas Dohmke氏

GitHub Copilotがマルチモデル対応

　GitHub Copilotのマルチモデル対応が発表された。Google Copilot Chatの利用中にユーザーが複数の生成AIモデルからモデルを選べるようになった。

　まず、OpenAIのAIモデルとしてGPT-4o、o1-preview、o1-miniに新しく対応。また、Anthropicと提携してClaude 3.5 Sonnetに対応し、発表当日（米国時間10月29日）から提供開始した。

　さらに、GoogleのGemini 1.5 Pro対応も発表され、数週間の間に提供開始予定となっている。

　このほかプレスリリースでは、今後さらに、GitHub Copilot Chat以外の多くの機能や領域でマルチモデル対応を進めるとしている。

GitHub CopilotがGPT-4o、o1-preview、o1-miniに対応

GitHub CopilotがAnthropicのClaude 3.5 Sonnetに対応

GitHub CopilotがGoogleのGemini 1.5 Proに対応（数週間の間に提供予定）

Google Copilot ChatでモデルにGPT-o1-previewを選び、チェスゲームのコーディングを指示するデモ（ブレークアウトセッションより）

　なお、基調講演でのマルチモデル対応の発表では、Anthropicの共同設立者兼チーフサイエンティストのJared Kaplan氏がゲストで登壇。Dohmke氏との対談形式で、Claude Sonnetのソフトウェア開発に強い利点や、開発ツールに強いGitHubとの提携の意義などを語った。

Anthropic 共同設立者兼チーフサイエンティストのJared Kaplan氏

自然言語によりノーコードでアプリを作れる「GitHub Spark」

　プログラミングのスキルがなくても自然言語によりアプリケーションを開発できる「GitHub Spark」が発表された。現在、GitHubのR&D部門であるGitHub Nextのテクニカルプレビュー。

　GitHub Sparkでは、「spark」と呼ばれるマイクロアプリを開発する。自然言語ベース開発ツール、マネージドの実行環境、ダッシュボードからなる。

　自然言語ベースの開発ツールでは、対話型生成AIのようにテキストフォームに指示を入力して開発し、プレビューを実行し、変更や履歴管理などにも対応する。

　マネージドの実行環境には、sparkアプリが作られたときに自動的にデプロイされ、PCやタブレット、モバイルアプリ（PWA）で実行できる。テーマに対応したデザインシステムや、キーバリューストア、生成AI機能の付加なども用意されている。

　また作成したsparkアプリは他人と共有でき、他人のsparkアプリを利用することもできる。

　基調講演のデモでは、テキストフォームに「Create tic tac toe game with ducks and hippos（アヒルとサイを使った三目並べを作れ）」と入力して作られたゲームが表示された。また、連絡先アプリのデモとして、Dohmke氏がその場で参加バッジのQRコードを読み取って自分のプロフィール情報が表示されるところを見せた。

GitHub Spark発表

自然言語からアプリ作成を指示

アヒルとサイの三目並べができた

連絡先アプリで参加者バッジからプロフィール情報を表示するデモ

展示会場でのデモ。日本語を英語に翻訳するアプリを作る

日本語を英語に翻訳するアプリができた。なお、日本語入力が入っていないのでローマ字で入力した

画面下部で要求を入力して、英語を日本語に翻訳する機能を追加させる

英語を日本語に翻訳する機能が追加された。なお、画面左端中央の2つの黒丸をクリックしてバージョンを選べる

Xcode対応や、Chatからの複数ファイル編集など、GitHub Copilot関連の新機能

　そのほか、GitHub Copilot関連でいくつか発表がなされた。

　まず、GitHub Copilotが、Appleの開発ツールである「Xcode」に対応した（パブリックプレビュー）。

GitHub CopilotがXcodeに対応

　VSCode＋GitHub Copilotについては、いくつかの機能追加が紹介された。

　まずは、マルチファイル編集機能。GitHub Copilot Chatにおいて、複数ファイルにまたがったファイル編集に対応した（プレビュー版）。

VSCode＋GitHub Copilotでいくつかの機能追加

GitHub Copilot Chatのマルチファイル編集機能

　5月に登場した、GitHub Copilot Chat内でサードパーティーのツールを呼び出す機能を追加できる「GitHub Copilot Extensions」が、2025年初頭にGA（一般公開）となることも発表された。

GitHub Copilot Extensions

GitHub Copilot Extensionsでフィーチャーフラグ管理のLaunchDarklyを呼び出す例

　また、GitHub Copilot Chatの応答を自組織に合わせてカスタマイズできるCustomize Instructions機能が有効になった。

Customize Instructions

GitHub Modelsがパブリックプレビューに

　クラウド上で生成AIモデルを試せるGitHub Modelsがパブリックプレビューになり、ウェイティングリストに並ばずに利用できるようになった。

　また、モデルの比較機能やマルチモーダルモデル対応などの機能追加も発表。同時に、さらなる基盤モデルも追加している。

GitHub Modelsの基盤モデルの追加

デモより。基盤モデルの選択s

モデルの比較機能

モデルのパラメータ情報の表示

プロンプトを入力してJSONで結果を得る

GitHub Copilot Workspaceに、ブレストとエラー修正の機能が追加

　ソフトウェア開発におけるコーディング以外を支援する「GitHub Copilot Workspace」についても、次期アップデートが発表された。

　基調講演の中では、特に、2つのエージェントの追加が紹介された。これまでGitHub Copilot Workspaceでは、Spec（仕様）、Plan（計画）、Implement（実装）の3つの段階にそれぞれエージェントが対応していた。そのさらに前後に、Brainstorm（ブレインストーミング）と、Build & repair（エラーやテスト失敗の修正）の2つのエージェントが加わる。