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NECなど3社がローカル5Gをホール内で運用、NICTはサイバー攻撃統合分析基盤「NIRVANA改」の新機能をデモ
Interop Tokyo 2023ブースレポート
2023年6月19日 06:30
最先端ネットワーク技術・製品のイベント「Interop Tokyo 2023」が、幕張メッセ(千葉県千葉市)で6月14日~16日に開催された。
ここでは、展示ブースや会場ネットワークShowNetでの展示からいくつかレポートする。
ShowNetや展示ブースでローカル5Gの実験をデモ
3系統のローカル5Gをホール内で運用
Interop Tokyo 2022と同様に、Interop Tokyo 2023でもモバイル通信のローカル5G(組織敷地内などで局地的に独自に運用する5Gネットワーク)の設備がShowNet内に設けられ、実験が行われた。
しかも今年は、NEC、シスコシステムズ、NTTコミュニケーションズの3社がそれぞれSub6実験試験局免許を取得して3系統のローカル5Gを構築。それにより、電波暗室だけでなくホール内でローカル5Gを運用していた。
なお、3社のローカル5Gは、展示ソリューションを表彰する「Best of Show Award」で、ShowNetコントリビュータ部門の審査員特別賞を受賞した。
NEC、ローカル5G+MEC+AIなどをデモ
NECのブースでも、ローカル5Gのデモを見せていた。1つめはライブ映像配信で、カメラのワイヤレス化を狙ったものだという。
もう1つは、ローカル5GにMEC(Multi-access Edge Computing、5G網内でのエッジコンピューティング)とAIを組み合わせたソリューションだ。展示では、ARの中でブドウの実を数えるところを体験。それに対して、ローカル5GからMEC上のAIで映像から自動で数えるところをデモしていた。LTE+パブリッククラウド+AIと比べて、3~4倍のスピードだという。
なお、NECのローカル5Gエッジプラットフォームは、「Best of Show Award」で、サーバー&ストレージ部門の審査員特別賞を受賞した。
NICTの「NIRVANA改」が組織をまたいだ攻撃の分析に対応
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)のブースでは、Interop Tokyo 開幕前日の6月13日に発表された、サイバー攻撃統合分析プラットフォーム「NIRVANA改」の新機能である横断分析機能をデモしていた。
これまでは組織内での不正な挙動を分析するものだったが、複数の組織にまたがる挙動を俯瞰して分析できるようになった。関連会社を狙ったサプライチェーン攻撃などを想定した機能だ。
ブースでは、上位の組織からほかの組織のアラートを集めて確認したり、MITREによる攻撃手順のモデルと照合したり、ホストの状況を調べたり、C&C(C2)サーバーらしき通信先を同じくNICTのCURE(Cybersecurity Universal REpository)で調べたりする様子を見せていた。
ジュニパーのブースでMistによるAIOpsを展示
ジュニパーネットワーク(Juniper)は、ShowNetに多くの通信機器を提供している。そして同社ブースでは、Wi-Fiなどネットワークをクラウドで管理する「Mist」と、その中でAIにより運用を自動化するAIOps機能「Mist AI」を中心に展示していた。
ブースでは、Mist AIによる仮想アシスタント「Marvis」にChatGPTを統合したところを展示していた。Juniperのドキュメントを学習させ、設定したいことをMarvisに自然言語で尋ねると手順を教えてくれ、該当ドキュメントへのリンクも示してくれるという。
また、ShowNetとMistの連携デモも実施。例えば反応が悪くなっているときに、ネットワークエンジニアのナレッジを学習したAIが原因を分析して、ケーブルの問題を指摘しているところも見せていた。
そのほか、クラウド認証基盤であるNAC(Network Access Control)の「Juniper Mist Access Assurance」についても紹介していた。