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次世代無線LAN規格「Wi-Fi 7」対応製品が多数登場、NECやネットギアなどが展示

Interop Tokyo 2023ブースレポート

 6月14日から16日まで幕張メッセで開催中の最先端ネットワーク技術・製品のイベント「Interop Tokyo 2023」では、次世代無線LAN規格「Wi-Fi 7」(IEEE 802.11be)に対応したアクセスポイントやルーターが複数社から出展されていた。

NEC、法人向けWi-Fi 7アクセスポイントを国内で9月受注開始予定

 NECのブースでは、本誌でも発表を報道した、法人向けのWi-Fi 7対応無線LANアクセスポイント「UNIVERGE QX-W1240」を展示していた。同シリーズではWi-Fi 6Eに対応した製品はなかったが、UNIVERGE QX-W1240でWi-Fi 7とWi-Fi 6Eに対応する。アップリンク用に10GBASE-Tポートを搭載する。受注開始は9月、出荷開始は10月を予定している。希望小売価格は33万円(税別)。

 Wi-Fi 7の正式な標準化は2024年の予定だが、NECではドラフトバージョンの規格を基に開発し、正式に標準化された時点でファームウェアアップデートにて対応すると、ブースで説明されていた。

 また、Wi-Fi 7の特徴の1つに320MHzという広い帯域幅の利用があるが、日本ではまだ認められていないため、まずはこれを封印した状態で出荷するとのこと。それでも、複数の周波数帯を束ねて接続するMLO(Multi-Link Operation)などの技術は使えるため、Wi-Fi 6Eより高速になるとのことだった。

 なお、Wi-Fi 7では最大で16×16のMU-MIMOに対応しているが、UNIVERGE QX-W1240では4×4でリリース。320MHz幅が利用できれば最大18.68Gbpsの速度で通信できるという。

NEC UNIVERGE QX-W1240

Netgear、Wi-Fi 7ルーターを参考出品

 僚誌INTERNET Watchでもレポートしたが、ネットギアのブースではWi-Fi 7ルーター「Nighthawk RS700」を参考出展していた。

 有線ポートは10Gigabit Ethernet(GbE)対応のWAN×1とLAN×1、1GbE対応LAN×4を備える。そのほか、USB 3.0ポートも備える。本体サイズは124×142×281.7mmで、重量は1.635kg。米国など国外では今夏に発売予定。

NetgearのWi-Fi 7ルーター「Nighthawk RS700」
Nighthawk RS700の背面のポート

TP-Link、Wi-Fi 7ルーターや超薄型Wi-Fi 6ルーターなどを展示

 TP-Linkのブースでは、3月に発表したWi-Fi 7対応ルーターなどを展示していた。

 発表されているのは、クアッドバンドの「Archer BE900」と、メッシュ対応でトライバンドの「Deco BE85」。2023年夏ごろの発売を予定している。なお、国内では当初Wi-Fi 6E相当の仕様で発売し、Wi-Fi 7が認可されたらファームウェアアップデートで対応するとの、ブースでの説明だった。

 「Archer BE900」は、16ストリームに対応し、合計24000Mbpsをうたっている。WAN/LAN用にRJ45とSFP+の10GbEコンボポート(排他利用)×1と、RJ45の10GbEポートを備えるほか、LANに2.5GbE×4と1GbE×1のポートがある。また、前面には、操作可能なタッチパネルと、設定した文字や絵を表示できるLEDスクリーンが設けられている。販売価格は8万9800円(税込)を予定。

 Archer BE900の兄弟機種として、「Archer BE805」も展示されていた。Archer BE805はArcher BE900と異なりトライバンドで、LANポートも1GbEポート×2になっている。

TP-LinkのWi-Fi 7ルーター「Archer BE900」「Archer BE805」
「Archer BE900」の背面のポート
LEDスクリーンとタッチスクリーンの表示は、スマホアプリから設定できる

 「Deco BE85」は、メッシュ接続に対応。12ストリームに対応し、合計22000Mbpsをうたっている。WAN/LAN用に、RJ45とSFP+の10GbEコンボポート(排他利用)×1と、RJ45の10GbEポート×1、2.5GbE×2のポートがある。想定販売価格は、1パックで7万9800円(税込)、2パックで14万8800円(税込)を予定。

 Deco BE85の兄弟機種として「Deco BE75」「Deco BE65」も展示されていた。Deco BE85と異なり、Deco BE75はWAN/LANポートが10GbEポート×1と2.5GbE×3に、Deco BE65は2.5GbE×4になっている。

TP-LinkのWi-Fi 7ルーター「Deco BE85」「Deco BE75」「Deco BE65」
「Deco BE85」の背面のポート

 そのほか、オフィス向けWi-Fi 7アクセスポイントとして、「EAP783」「EAP770」「Omada Pro AP」も展示されていた。

TP-Linkのオフィス向けWi-Fi 7アクセスポイント「EAP783」
TP-Linkのオフィス向けWi-Fi 7アクセスポイント「EAP770」
TP-Linkのオフィス向けWi-Fi 7アクセスポイント「Omada Pro AP」

 Wi-Fi 7以外では、6月14日に発表された、Wi-Fi 6対応の超薄型ルーター「Archer Air R5」も展示されていた。厚さ8mm 、重さ290g以下となっている。

Wi-Fi 6対応の超薄型ルーター「Archer Air R5」
「Archer Air R5」の側面