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Ruijieの液浸ネットワークスイッチ、NTTエレクトロニクスの4K/8K非圧縮映像光伝送製品など、各社が最新製品を展示
Interop Tokyo 2022ブースレポート
2022年6月20日 11:59
最先端ネットワーク技術・製品のイベント「Interop Tokyo 2022」のオフラインの展示と講演が、幕張メッセ(千葉県千葉市)で6月15日から17日まで開催された。来場者数は3日間トータルで9万635人。
ここではいくつかのブースの展示をレポートする。
Ruijie、液浸スイッチや、オール400Gスイッチなどを展示
中国に本社を持つRuijie Networks Japan株式会社のブースでは、同社のデータセンター向けネットワークスイッチを展示していた。
その中で、液浸スイッチ製品「RG-LC6510-32CQ」を展示していた。液浸とは筐体ごと液体の槽に沈めて冷却するもの。サーバーでは行われているが、ネットワークスイッチでは初めてではないかとの同社の説明だった。
展示されていた液浸スイッチは、強制循環型のもの。液浸の採用により電力が50%ほど削減され、ファンが不要になり、ホコリの心配もないという。
製品としては、1Uサイズで100Gポートを32ポート備える。同製品はすでにアリババで採用されているとのことだった。
またRuijieでは、オール400Gスイッチ「RG-S6980-64QC」が、Interop Tokyo 2022のBest of Show Awardにおいて、ネットワークインフラ(キャリア/ISP)部門の審査員特別賞を受賞した。4Uに400Gポートを64ポート搭載。400G ZRトランシーバーをサポートし、データセンター間の800~120km長距離接続が可能という。また、コストも低いという説明だった。
200G/400G対応リーフスイッチ(トップオブラックスイッチ)の「RG-S6580-24DC8QC」も、Best of Show Awardでネットワークインフラ(キャリア/ISP)部門のファイナリストにノミネートされた。1Uに、ダウンリンクの200G×24ポート(100Gにも対応)、アップリンクの400G×8ポートを搭載する。
同様に25G/100Gリーフスイッチ(トップオブラックスイッチ)の「RG-S6510-48VS8CQ」も展示されていた。1Uに、ダウンリンクの25G×24ポート、アップリンクの100G×8ポートを搭載する。
NTTエレクトロニクス、4K/8K非圧縮映像光伝送製品を世界初展示
NTTエレクトロニクス株式会社のブースでは、4K/8K非圧縮映像光伝送製品「MediaRouterX」を展示していた。同製品はShowNetにも設置され、実際に4K/8K非圧縮映像伝送を実演していた。Best of Show AwardのMedia over IP部門で準グランプリを受賞した。
MediaRouterXは、1Uシャーシに光トランスポンダ、L2/L3ルーティング機能、Media over IP機能を搭載した製品。200Gbps光コヒーレント伝送に対応し、中継現場とスタジオ間を画質劣化なく極低遅延で長距離伝送できるという。なお今回が世界初展示となった。
ソリトン、5G・4K対応のモバイルエンコーダーをデモ
株式会社ソリトンシステムズのブースでは、モバイルエンコーダーの「Smart-telecaster Zao-X」が展示された。5Gや4Gのモバイル回線を利用して高画質の動画をライブ中継するSmart-telecasterシリーズの最新モデル。Best of Show AwardのMedia over IP部門で審査員特別賞を受賞した。
最新のZao-Xでは、4Kと5Gに対応。映像として4K/60pまで対応し、また遅延が1ms(0.1秒)程度に低くなった。
ブースでは特に低遅延のデモのため、山形にあるラジコンからの映像を複数のモバイル回線で転送し、リアルタイムで操縦できるところを実演していた。
VMware、NFVソリューションを展示
VMwareのブースでは、通信事業者のNFV向けの「VMware Telco Cloud」について展示していた。同社の仮想化ソリューションにより5G通信事業者の仮想ネットワークを構築するもの。Best of Show Awardの5G/ローカル5G部門で準グランプリを受賞した。
説明によると、5G通信の中でも、コアやRAN、エッジなどのサービスごとに、スループットや低遅延などの要件が異なり運用しにくい問題に対応するのが特徴だという。これは、Telco Cloud Automation(TCA)がサービスの要件を見て、それを動かすハイパーバイザーやコンテナランタイムなどのパラメータをカスタマイズするため、とのこと。
すでに、世界10か国以上で5G Coreなどに採用され、日本でも実績があるという。
Citrix、新型ADCやDaaS/リモートアクセス製品を展示
シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社(Citrix)のブースでは、ADC/ロードバランサー製品、DaaS(Desktop as a Service)製品、リモートアクセス製品を展示していた。
ADCとしては、3月にリリースされた新機種「ADC MPX/SDX 9100」を展示していた。処理能力などのパフォーマンスが向上している。
また、ハードウェアアプライアンスや仮想アプライアンスの特徴として、Citrix Pooled Licenseによるライセンス方式を強調していた。あらかじめ割り当て可能なライセンス数をプールしておく方式で、たとえばDR(ディザスタリカバリ)において、本番サイトとDRサイトの両方のライセンスを購入しなくても、必要になったときに本番サイトのライセンスをDRサイトに割り当て直せばよいという。
Citrix DaaSは、2022年4月よりCitrix Virtual Apps and Desktops Serviceから名称変更された製品だ。オンプレミスのサーバー上の仮想デスクトップと、クラウド上の仮想デスクトップを一括管理する。さらに、社内の自席PCもまとめて管理できる。
Citrix Secure Private Accessは、ZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス)によるリモートアクセスだ。ユーザーやデバイスと、アクセス先のアプリケーションのひもづけに対して許可を与える。
そのほか独自の機能として、同社の仮想化技術を用いてアクセスした後のセキュリティに対応する。これには、スクリーンショットを撮っても壁紙は撮れるが特定アプリケーションは真っ黒になってしまう機能や、アプリケーションに透かしを入れる機能、キーロガーで読もうとすると意味のない文字列になる機能などがある。