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キーワードは「自律化」「自動化」――、Oracle Open World 2017で披露された“明日を実現”する技術

対AWSを引き続きアピール

 Oracle Autonomous Database Cloudの発表にあわせて、エリソン会長兼CTOは、AWSとの比較によって、その優位性を示してみせた。

 昨年の基調講演でも、AWSへの対抗意識をみせていたエリソン会長兼CTOだが、今年もその様相は変わらなかった。

 「Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)は、その名前とは違い、柔軟性がない」と切り出し、「AWSは、自動的にプロセッサの数を増やしたり、ワークロードの変化にあわせて最適なリソースを活用したりできる仕組みにはなっていない。アップデートもパッチも、チューニングも、すべてマニュアルである」と主張。

 「Oracle Autonomous Database Cloudは、どんなワークロードであっても、AWSの半額以内のコストで提供できる。AWSの半額以下で提供することを、Oracle Autonomous Database Cloudの契約書のなかに明記する」などとした。

 基調講演では、Oracle Autonomous Database Cloudと、AWSでOracle Databaseを動かした場合、そして、AWSでRedshiftを稼働させた場合のデモンストレーションを行い、金融業界や保険業界、小売業などにおける分析業務を行うワークロードの速度とコストを比較してみせた。

 例えば、Oracle Autonomous Database Cloudと、Amazon CloudでOracle Databaseを動かした場合の比較では、金融業界における分析業務のワークロードにおいて、前者の処理時間が34秒であり、わずか0.04ドルの費用で完了したのに対して、後者は255秒かかり、利用料金は0.23ドルとなった。また、AWSでRedshiftを動作させた時には、247秒かかり、0.27ドルになることを示した。

 そのほかにも、Oracle Autonomous Database Cloudを16CPUの環境で動作させた場合には、ワークロードが20秒で終了し、0.02ドルで済むことを示し、「パフォーマンスを得るためには、これまでと比べても安い費用を支払うことになるといった矛盾した状況が生まれる。AWSとの価格差は最大で14倍にもなる。AWSの半額以下にすることは十分に約束できるレベルである。また人件費も不要になる。実際に試して比較してもらえば、AWSを使う必要がないことがわかる」などとした。

 また、「AWSは99.9%の可用性を保証しているが、契約書では、保証の例外について記載している。例外としているのは、コンピュータリソースやストレージを追加している時、AWSの計画的なメンテナンス時間、パッチを適用する時間、アップデートの時間などのほか、ソフトウェアにバグが発生した時や、停電が発生した時も例外としている。例外ばかりのなかで、99.9%を保証している」と指摘。「Oracle Autonomous Database Cloudは、自動化によって、99.995%の可用性が保証され、予定内および予定外のダウンタイムが年間30分未満に抑えられる」と述べた。

AWSとの比較で、圧倒的なパフォーマンスとコストの違いを強調した

 そして、こんな指摘もする。

 「実は、Amazon.comは、Oracleの最大手ユーザーであり、昨年は6000万ドルもの費用をOracleに支払っており、この費用は毎年増加している。それは、Oracleの技術が優れていることや、コストが安いことを理解している証しだ」と、意外な観点から、Oracle製品の優位性を示してみせた。