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キーワードは「自律化」「自動化」――、Oracle Open World 2017で披露された“明日を実現”する技術
2017年10月5日 12:22
米Oracleは10月1日~5日(現地時間)、カリフォルニア州サンフランシスコのモスコーニセンターで、プライベートイベント「Oracle Open World 2017」を開催した。
今年のテーマは、「Your Tomorrow,Today」。全世界から6万人が参加。日本からも約400人のパートナーおよびユーザー企業が参加した。
ここ数年、クラウドシフトを鮮明に打ち出しているOracle Open Worldだが、今年もその潮流は変わらない。10月1日の18時から行われた米Oracle ラリー・エリソン会長兼CTOの基調講演では、Oracle Databaseの最新版「Oracle Database 18c」をベースとした自律型サービス「Oracle Autonomous Database Cloud」を発表。Amazon Web Services(AWS)と比較しながら、パフォーマンスの高さと、半額以下になるという価格設定の強みを訴求し、「これでもAWSを使う理由があるのか」と訴えかけた。
クラウド関連ビジネスの構成比は年々上昇
Oracleのクラウドシフトは鮮明だ。
2017年度(2016年6月~2017年5月)の業績では、379億ドルの売上高全体に対して、クラウド関連ビジネスの売上高は47億ドルとなり、12%を占めた。最新四半期となる2018年度第1四半期(2017年6~8月)業績でも、92億ドルの売上高全体に対して、クラウド関連ビジネスの売上高は15億ドルとなり、構成比は16%に拡大している。
一方で、日本法人の日本オラクルもクラウド関連ビジネスの構成比を徐々に高めている。2018年度第1四半期業績では、売上高全体の412億円に対して、クラウド関連ビジネスの売上高は27億円。前年同期比53%、売上構成比は約7%となっている。
2018年度にはクラウド関連ビジネスの成長率は前年比53~66%増になると予想しており、150億円規模の売上高、8%以上の構成を目指す。すでに1000社を超える企業にクラウドを導入しており、フランク・オーバーマイヤーCEOによる新体制のもと、クラウドビジネスをさらに加速させる考えだ。
米Oracleのマーク・ハードCEOは、「クラウドに投資を始めた時のOracleの株価は平坦だったが、クラウドのポートフォリオをそろえた昨年あたりから、株価は急上昇している。クラウドに対する研究開発費を増やしており、市場シェアも拡大している」とする。
当面の目標は、クラウド事業を年間100億ドルの売り上げ規模にすることだ。この大台に、OracleとSalesforce.comのどちらが先に到達するのかが注目される。