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成功しているパートナーが持つ4つの特性とは――、WPC 2016 3日目基調講演

社会を変革するためのさまざまなMicrosoftの取り組み

 米Microsoft デベロッパーエクスペリエンス&エバンジェリズムグループのスティーブ・グッゲンハイマー(Steve Guggenheimer)CVPは、「ソフトウェアの進化と、クラウド、モバイルの登場によって、ISVとパートナーとの関係が大きく変わってきている」と語り、「ISVにとっても、どのようにしてコネクションを張るかが大切になっている。ISVコミュニティと販売パートナーが手を結ぶことで、新たな提案ができる。これは、破壊と変革につなげることができるものになる。プラットフォームはますます進化していく」としたほか、Professional Degreeと呼ぶ教育制度を用意していることを紹介。

 「これは、データサイエンスなどの勉強をしてもらう場であり、オンラインを通じた教育や、メンターによる4カ月間のコースを用意。すでにパートナーから900人が参加している。興味があるパートナーはぜひ参加してほしい」と語った。

デベロッパーエクスペリエンス&エバンジェリズムグループのスティーブ・グッゲンハイマーCVP

 一方、米Microsoft プレジデント兼最高法務責任者のブラッド・スミス(Brad Smith)氏は、第4次産業革命が訪れていることに触れながら、「そのなかで、クラウドは新たな時代を支えるインフラになる。そして、テクノロジーが世の中を豊かにすることになる」と語る。

 続けて、「だが、テクノロジーには負の部分もある。クレジットカードの情報が漏れたり、学校ではいじめが起こったりといったことが起きている。われわれは信頼できるクラウドを提供しなくてはならない。Microsoftは、米国連邦政府から情報公開に関して4回の提訴を受けているが、当社は、顧客の電子メールは絶対に公開しないということを決めている。情報は優れた法律のもとで保護する必要がある」と述べた。

 また、「責任を持ったクラウドを提供するという点も重要である。データセンターを運用するには、大量の電力が必要である。実際、Microsoftのデータセンターは、欧州のひとつの小さな国と同じぐらいの電力を消費している。クラウドを実現するには、環境への配慮が必要であり、現在、Microsoftのデータセンターでは、約40%が再生エネルギーによるものであり、これを50%、60%の高め、最終的には100%にしたい」と、環境面での貢献をアピール。

 「包括的なクラウドを提供することも大切である。世界には不安が渦巻いている。テクノロジーによって、20~30年後の仕事はなにがなくなり、どんな新たな仕事が生まれるのかという議論もある。(配車サービスを提供する)UBER(ウーバー)の登場や自動運転の普及によって、タクシーの運転者という仕事がなくなるかもしれない。テクノロジーの進化によってもたらされる次世代のことを考える上では、コンピュータサイエンスが重要になる。これを教える学校は、いまは4300校しかないが、これを10倍ぐらいにしなくてはならない。パブリッククラウドは新たな世の中に貢献できると考えている。Microsoftは、クラウド技術の提供をはじめとして、10億ドルの資金を非営利団体に提供することで、子供たちを支援していく。また全世界では、10億人がなにかしらの障害を持っている。エンジニアの努力によって、新たな技術を使って、障害者を支援できるようになる」などとした。

プレジデント兼最高法務責任者のブラッド・スミス氏

 また、米Microsoft ワールドワイドパブリックセクター担当のトニ・トーネス-ホイットリー(Toni Townes-Whitley)CVPは、「Microsoftは、貧困の問題や、災害によってもたらされた緊急課題にも取り組んでいる。我々は、社会への影響や貢献を考えなくてはならない企業である。ネパールの大地震では、9000人の死者が出るほどの被害となったが、テクノロジーの力を使って復興を支援し、働く機会ももたらした。また、米ワシントン州タコマの学校では50%以上の生徒が退学してしまうという状況だったが、Azureを使って、どの生徒が退学しそうなのかを予測し、生徒にカウンセリングを受けさせるようにした。教師が生徒のことを大切に思うことができるようになった」などと、Microsoftの取り組みについて語った。

ワールドワイドパブリックセクター担当のトニ・トーネス-ホイットリーCVP

 なお、2017年のWPC 2017は、2017年7月9日~13日に、ワシントンD.C.で開催されることが発表されている。