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成功しているパートナーが持つ4つの特性とは――、WPC 2016 3日目基調講演

MSが1ドルのクラウドを売るとパートナーは5.87ドルのビジネスを行える

 一方、3日間にわたって基調講演の進行を務めた米Microsoft ワールドワイドパートナーグループのガブリエラ・シュースター(Gabrielle Schuster) コーポレートバイスプレジデント(CVP)は、この日は自らも講演した。

米Microsoft ワールドワイドパートナーグループのガブリエラ・シュースターCVP

 「技術の変化、業界の変化、顧客の変化が起こっている。そして、Microsoftも変革をしている」と切り出したシュスターCVPは、「フォーチュン500社のうち、85%の企業がMicrosoftクラウドを使用しており、Azureは3けたの成長を遂げている。パートナーの勢いは史上最高であり、1万7000社がCSPプログラムに参加。5月にはCSPを通じて300万シートが売れており、既存のライセンス販売の実績を上回っている。また、これまでは1年半に一度の機能強化であったが、いまは毎日のように機能強化が行われ、実際、Microsoftでは、昨年度は1日にひとつ以上の新機能を提供してきた。Microsoftが1ドルのクラウドサービスを売ると、パートナーは5.87ドルのビジネスを行えるという実績も出ている」とした。

Microsoftが1ドルのクラウドサービスを売ると、パートナーは5.87ドルのビジネスを行えるという

 さらに、「Microsoftのパートナーは、自社だけのソリューションでビジネスをやっている企業に比べて、19%も成長が高いという調査結果が出ている。最も成功しているパートナーには、4つの特性がある。業界別ソリューションをはじめとした差別化要素を持っていること、顧客を知るためのデジタルマーケティングの能力を持っていること、ビジネスを工場のような形で拡張性を持たせ、標準化、効率性を追求していること、そして、顧客への価値の提案を重視していることである」とした。

 また、CSPプログラムに参加している企業に対するいくつかの支援策を新たに提供することについても紹介。CSP向けのマーケットプレイスであるパートナーショーケースでは、業種別ソリューションなどを選択しやすいように画面を設計しており、ゴールドパートナーのソリューションには、そのマークを付与。顧客やパートナーは、信頼できる、ニーズに適したソリューションを提供している企業であることが理解でき、そこからソリューションを購入できるようにしているとした。

 さらに、App Sourceを通じて、様々なアプリやサービスを提供できること、ソリューションを1カ所に統合して、管理フォームを見込み客に提供することができるサービスを提供することなどに触れている。

 このほか、パートナーが社内で使用することができるクラウド使用権を従来の2倍に拡張すること、3500人のクラウドアーキテクトを配置し、パートナーの支援体制を強化していくことなども明らかにした。

 「パートナー各社には、デジタルトランスフォーメーションしようとしている企業を支援してもらいたい。いまこそ、新たなビジネスに投資するタイミングである。世界をよりよいものにしていくことに貢献してほしい」(シュースターCVP)。