仮想化道場

“自働化”を実現した新型マイクロサーバー「HP MicroServer Gen8」の管理機能を試す (ファームウェアや最新ドライバを自動的に入手・適用)

ファームウェアや最新ドライバを自動的に入手・適用

 iLO4で便利なのは、HP Intelligent Provisioning機能だ。この機能は、サーバーにインストールするOSをiLO4のリモートメディア機能などでマウントすれば、自動的にサーバーのファームウェアや各種ツールを最新バージョンにアップデートし、インストールするOSの種類を判別して、必要となるドライバ類を自動的にインターネットからダウンロードしてくる(iLOが動作する状況で、インターネットアクセスが可能になっている必要がある)。

 つまり、面倒なファームウェアのアップデート、OSが必要とする最新ドライバを自動的にダウンロードし、インストールしてくれるため、OSのインストールが終了すれば、すぐにでもサーバーが運用できる状態になる。

 サーバーには、さまざまなネットワークカード、ストレージコントローラなどが搭載されているため、OSインストール後、管理者の手で必要なドライバをインストールする必要があった。特に、ネットワークカードなどのドライバは、ほかのPCやサーバーでダウンロードしたドライバをUSBメモリなどで持ち込む必要がある。特に、ネットワークドライバがないと、Windows ServerなどではWindows Updateも行えない。

 HP Intelligent Provisioning機能を使えば、iLO4が、OSに対応した最新ドライバを自動的にダウンロードし、インストールしてくれる。もちろん、サーバーにインストールされているネットワークカードやストレージコントローラなどをチェックして、必要となる最新ドライバがインストールされる。

 これは、iLO4がOSなどに依存しない単独で動作する組み込みシステムということもあるが、もう一つ重要なのは、HPが運用しているサーバー上に、必要なファームウェアや最新のドライバが集中して用意されている点だ。

 つまり、HP Intelligent Provisioning機能では、HPのサイトにアクセスすることで、最新のファームウェアやドライバのリストを受け取り、必要となるファームウェアやドライバをダウンロードし、インストールできるようになっている。

 これなら、HPが検証済みのファームウェアや最新ドライバなどが、一括してインストールできる。いちいち、管理者がどのファームウェアをアップデートするのか、どのドライバをインストールするのかで悩まなくてもいい。

HP Intelligent Provisioning機能を使って、OSのインストールを行う。もちろん、KVMを使ってリモートPCから画面を確認しながら設定とインストールを行うこともできる
インストールするOSを仮想ディスクとしてイメージをマウントして、インストールを行う
今回は、Windows Server 2012をインストール。プロダクトキーを入力する部分もあるため、ほとんどオートマチックにインストールが進む。あらかじめ各種の設定が行われていれば、ユーザーのキー入力待ちは起こらない
OSのインストール前にサーバーのファームウェアのアップデートなどもチェックする
もし、ファームウェアの新バージョンが確認されたら、アップデートを行う
OSインストール後、HP用のアプリケーションをインストールする
OSのインストールなどが終了すれば、KVMでもWindows Serverの画面が表示される。KVMでは、iLO4のネットワーク(10/100M)を使うため、OSを利用する場合は通常のネットワーク(1Gbps)を使うRDPなどを使う方が高速
MicroServer Gen8と同時にリリースされたネットワークスイッチPS1810-8Gもブラウザから管理できる

(山本 雅史)