大河原克行のクローズアップ!エンタープライズ
日本IBMのクラウドビジネスの現状を追う (5つのクラウドサービスを展開するIBM)
SoftLayerの買収によってAWSへの対抗力を強化
(2014/1/7 06:00)
5つのクラウドサービスを展開するIBM
前述したように、日本IBMでは、「プライベートクラウド」「マネージドプライベートクラウド」「専用プライベートクラウド」「共用プライベートクラウド」「パブリッククラウドサービス」という5つのカテゴリに分けてクラウドサービスを提供している。
「幅広い形でクラウドサービスを提供できるのが、IBMの強み」と下野副社長は胸を張る。
プライベートクラウドは、同社の垂直統合型システムのPureSystemsをはじめとするハードウェア、ソフトウェアを提供し、ユーザー企業が所有しているデータセンターに対して、クラウドにフィットした形でシステムを提案するというものだ。これは、ユーザー自らが運用するエンタープライズ・データセンターの仕組みである。
そして、ユーザー先のデータセンターにおいて、IBMがハードウェア、ソフトウェアを管理、運用するというのがマネージドプライベートクラウドである。
また、専用プライベートクラウドおよび共用プライベートクラウドは、IBM SmarterCloud Enterprise+によるサービスであり、IBMのホスティング環境を活用し、IBMが運用まで提供するというものだ。
代表例として挙げたのが、京セラドキュメントソリューションズの事例である。同社では、米国、欧州、アジア展開のさらなる強化のために、グローバルで統一したオペレーションによる生産性向上や販売支援を強化するグローバルCRMの構築、運用に、IBM SmarterCloud Enterprise+を活用。各種CRM業務を、統一したガバナンスのもとで一元管理するとともに、迅速に、かつ小規模から始めることができ、成長に応じて拡張するというクラウドサービスならではの特長を生かしたという。