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デロイト トーマツ、企業の税関申告時のリスク分析を支援するAIサービス

 デロイト トーマツ グループ(以下、デロイト トーマツ)は29日、AIを活用し、企業の税関申告におけるリスクの分析を支援するサービスを提供開始すると発表した。

 新サービスは、企業が税関申告した情報をAIが複合的に解析して、誤りの可能性を効率的・効果的に抽出し、税関による事後調査を受けて追徴課税を課される前に修正申告することで、コンプライアンス違反のリスクを軽減できるように支援するもの。これにより、輸入申告を行った企業は、税関申告における誤りのリスクを効率的に分析できるため、税関による追徴課税のリスク低減や、コンプライアンス強化を実現するという。

 サービスでは、まず、企業が保有する税関への申告データ、関税関係書類、海外送金や経理関係書類のデータを異常検知システムに取り込み、申告誤りが想定される取引を、項目別に抽出・スコアリングし、一覧化する。その際、専門家の知見をベースにした「ルールベースのアプローチ」や過去の申告誤りの事例・パターンを学習し、大量のデータを複合的に解析する「AI活用のアプローチ」を用いて、効率的・効果的な抽出を実現するとした。

 中でも、複数のリスクシナリオに対応する複数のリスクスコアを統合した独自のアルゴリズムを活用しているので、企業は、リスク分析の結果を基に追徴リスクを定期的に確認してリスクのある取引内容を精査し、自主的な修正申告の検討や実施が可能になるとしている。

新サービスの仕組みのイメージ

 具体的には、申告誤りの可能性がある項目がスコア別にランキングされ、異常スコアが高い申告が赤色でハイライトされる。また、金額と異常スコアの散布図では、取引金額の大きさと異常スコアの高低を視覚的に確認できる。

複合的異常検知モデルによる関税申告のリスク抽出イメージ

 なお今回の新サービスは、デロイト トーマツGTA&テクノロジーズ株式会社(以下、DTGTAT)の関税・税関の専門家が培った税関対応ノウハウに、デロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社が持つ、AIを活用した異常値検知技術を組み合わせて開発されたとのこと。さらに、DTGTATでは、修正申告の検討から実施まで、一貫したサポートを提供する。