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住民の利便性向上と職員の事務処理効率化を両立――、大阪市が取り組む行政オンラインシステムとは

2025年までに約1500の手続きのオンライン化を目指す

 大阪市が2020年8月から運用を開始している「大阪市行政オンラインシステム」は、区役所などの窓口へ行くことなく、24時間365日、いつでも、どこからでも、PCやスマートフォン(スマホ)を使って、各種行政手続きやイベントへの申し込みなどを行うことができる住民サービスだ。本年度中に、200以上の手続きを対象にオンライン化、2025年には約1500の手続きにまで対象を広げる。

 同システムは、TKCが大阪市とともに、行政サービス・デジタル化支援ソリューション「TASK クラウドスマート申請システム」として開発。現場の声をもとにした機能やサービスを搭載している。今回の大阪市行政オンラインシステムは、行政手続きのオンライン化を進める自治体にとって、ひとつのひな型になりそうだ。

大阪市庁舎

より多くの行政手続きをオンラインで行えるように

 大阪市行政オンラインシステムは、従来のシステムで行える手続きに加えて、より多くの行政手続きをオンラインで行えることを目指して開発したものだ。

 従来システムでは、インターネット上での本人確認や手数料の支払いなどに対応していないため、簡易的な行政手続きしかオンライン化ができていなかった。

 その一方で、スマホの利用を前提とした民間サービスが急拡大したり、自宅に居ながら、買い物や遠隔コミュニケーション、銀行手続きなどのさまざまなサービスが簡単かつ迅速に受けられたりするなか、市民からも、行政への申請、手続きを、民間サービスと同様にオンラインで完結できることが求められていた。

 こうしたニーズに対応したのが、今回の大阪市行政オンラインシステムだ。本人確認が必要な手続きはマイナンバーカードを利用。手数料が必要な手続きはクレジットカードによる電子決済で支払うことができる。

 まずは2020年度中に、「住民票の交付請求」「納税証明書の交付の請求」など、200以上の手続きをオンライン化。2025年までに約1500の手続きをオンライン化する予定だ。

 大阪市ICT戦略室企画担当の江畑嘉紀氏は、「まずは申請件数が多いもの、子育て世代や共働き世帯など日中の手続きが難しい住民へのサービス、そして、障がい者など区役所に訪れることが難しい住民の申請など、オンライン手続きの効果が見込めるものから優先的に取り組みを開始した。市民にとって、オンライン化の実現が、特に有益であると考えられる手続きから着手することで、市民の利便性向上を図ることができる。また、情報の電子化や業務改革で、業務の負荷軽減、業務の効率化を実現できる」と語る。

大阪市 ICT戦略室 企画担当の江畑嘉紀氏

 行政手続きのために市民が費やしている時間や費用を削減し、市民の利便性向上が期待できるほか、自宅から手続きができるなど、手続き方法の選択肢を拡大可能。来庁に伴う交通費の削減、来庁する時間や手間の削減、受付時間の拡大、提供サービスの均一化、待ち時間の削減、申請情報の記入回数の削減といったメリットも提供できる。

 また、申請がオンライン化されることで申請情報も電子化される。これにより、統計情報の分析などにかかる時間が短縮されるなど、業務負荷軽減が期待できるほか、業務改革において、慣習化されている運用などを見直すことにより、業務負荷軽減や業務効率化が期待可能とのことだ。

使ってもらえるサービスを目指し「使い勝手」にこだわる

 サービスの構築において、特に大阪市がこだわったのが「使い勝手」だという。

 江畑氏は、「使ってもらえるサービス、使いやすいサービスであることを大原則と、これを仕様書の最初に明記した。さまざまな情報への直感的なアクセス、申請時の手間、処理の煩雑さの軽減など、ユーザーエクスペリエンスを重視したサービスを提供することを目指した」とする。

 ここでは、申請フォームへの手続きがどの入力部分で止まってしまったのかといったことも、ログで解析。ユーザーインターフェイスの改善につなげるという。

 また、継続的な機能改善も重視しており、「ICTの世界は進化が速い。新たな技術も次々と生まれている。ユーザーインターフェイスにも、はやり廃りがあり、トレンドもある。そうしたところにも柔軟に対応できるようにする」とした。

大阪市行政オンラインシステムのポータルページ

 さらに、「申請状況の見える化」にもこだわった。特別定額給付金に関連して多くの自治体が混乱をきたしたが、その一因が、住民が自らの申請状況がわからず、その結果、市役所などに問い合わせが殺到した点だった。こうしたことへの対策も、大阪市行政オンラインシステムでは当初から仕様書のなかに盛り込んでいた。

 「ユーザーインターフェイスの改善や機能の継続的な改善は、これからも取り組むべき課題であるが、まずは、想定通りのものができたと考えている」とする。

 大阪市は、2020年8月に、ミナミエリアの飲食店を対象に、営業時間の短縮要請を行い、同時に、営業時間短縮協力金の給付を行ったが、この際、稼働直後の大阪市行政オンラインシステムを活用した結果、事業者の申請手続きがスムーズに行われたという。

民間サービスと同様水準での、行政手続きのオンライン化を目指す

 大阪市は、2005年11月から、電子申請システムの運用をスタートしていたが、2018年5月には「大阪市行政手続きオンライン化推進計画」を策定し、高度化への取り組みを開始。大阪市のICT戦略室が中核となって、民間サービスと同様の水準で、行政手続きをオンラインで完結できるようにすることを目指してきた。

 「日常的にAmazonや楽天を通じてオンラインで物品を購入するなど、民間でのサービスのオンライン化が進展する一方、海外でも先行する韓国やシンガポールなどでは、行政手続きのオンライン化が進んでいる。大阪市でも、国の動向を踏まえながらオンライン化をしてきたが、民間や海外に比べると遅れているという反省があった。今回の大阪市行政オンラインシステムによるサービス開始は、大阪市行政手続きオンライン化推進計画に基づく取り組みであり、今後のサービス強化に向けても重要なステップになる」と位置づける。

 大阪市行政手続きオンライン化推進計画では、申請から手続き完了までを一貫して行えるオンラインサービスの実現に向けて、段階的な導入を目指している。

 第1段階は、これまでの状況とし、「現行システムの利用促進」を行ってきたが、第2段階では、必要な行政手続きにおいて、資料添付や決済を含む申請を電子申請システムで実現することを目指した「次期システムの導入により、主要な行政手続きの電子申請の実現」を掲げた。

 また第3段階として、交付物をデータで受け取ること、コンビニや区役所以外の窓口での発行などを実現すること、さらに交付事務の負荷軽減を目指すことを掲げた「システム間連携・証明書などの電子交付の実現」に取り組むことを示している。

 そして第4段階では、「さらなる業務改革により、業務負荷の軽減を実現」するため、申請の受付や、入力、交付作業等の定型事務の一元化に向けた検討など、区役所職員の実務量の削減によって、窓口での手厚い対応を可能にするという。

大阪市行政手続きオンライン化推進計画のステップ

 こうした取り組みによって、市民の利便性向上や業務の負荷軽減、業務の効率化を実現するとともに、並行して、電子化に向けた条例や、規則および要綱などのルールの見直しも検討、実施することを盛り込んだ。

 さらに、大阪市行政手続きオンライン化推進計画では「住民の機会損失」を試算し、公表した点も興味深い。これは、記入や待ち時間といった窓口での手続き時間に要する時間をもとに算出したもので、全国でも初めての試算結果といえるものだ。これによると、マイナンバーカードが30%普及した場合、大阪市行政オンラインシステムでは最大で14億7600万円もの機会損失をカバーできるという。

 「大阪市行政オンラインシステムの調達は、第2段階で示した『次期システムの導入により、主要な行政手続きの電子申請の実現』をするとともに、第3段階の『システム間連携・証明書などの電子交付の実現』の検討も含むものになる」としており、大阪市行政手続きオンライン化推進計画の達成に向けて、大きな足がかりとなるものだ。

「BPRによる業務の見直し」を重要な柱に

 大阪市では、「大阪市行政手続きオンライン化推進計画」の取りまとめに向けて、2017年度中に3つの取り組みを行った。それは、「行政手続きの棚卸」、「機能の現状調査」、「推進体制の構築」の3点である。これが、大阪市行政オンラインシステムのスムーズで効果的な運用開始につながっている。

 「行政手続きの棚卸」では、約3400件のすべて申請手続きを対象に、オンライン化に向けた課題の洗い出しを実施した。

 「どんな行政手続きがあり、手続きの根拠となる法令はなにか、受付から交付に至るまでに必要となる事務処理やそれにかかわる時間、仕組みはどうなっているのかといったことを見える化した」という。その結果、新たな電子申請システムの導入によって、約27%の手続きがオンラインで完結できる余地があると判断している。

 また「機能の現状調査」では、電子申請サービスを提供する事業者に対して、大阪市が目指すオンラインサービスのどこまでを実現できるのか、足りない部分はどこであり、それをどう補えば目指す姿になるのか、といったことを洗い出したという。

 そして3つめの「推進体制の構築」では、ICT戦略室だけでなく、業務改革部門や各制度の所管部門などを含めて、全庁的な仕組みの構築を図ることを決定した。システム構築だけでなく、業務改革や制度改革までを視野に入れて準備を進めてきたのだ。

 この3つの取り組みを通じて、いくつかの課題が浮き彫りになった。

 課題のひとつめは、大阪市全体で、さらなるオンライン化に向けた準備が整っていなかったこと。業務や住民サービスの多くが紙ベースの処理が中心となっており、現場の業務改善が進んでいないという点が明らかになった。

 2つめは標準化の問題だ。大阪市にある24の各区が、ひとつの制度に対して、区ごとに異なるサービスや手続き方法が用意されている場合、オンライン化において大きなハードルになる可能性があった。

 そして課題の3つめは、オンライン化を推進する全庁的な取り組みがないという点だった。これが、オンライン化においては「他人(ひと)ごと」という状況を生み、遅れにつながっていたといえる。

 そこでこうした課題を、「次期電子申請システムの導入」と「BPR(Business Process Re-engineering)による業務の見直し」という2点で解決する方針を打ち出した。

 ここで注目しておきたいのは、「BPRによる業務の見直し」を重要な柱に位置づけた点だ。

 企業や自治体におけるIT導入の失敗の多くは、テクノロジーに頼りすぎ、体制や制度、文化が変わらないままで現場の改革が進まず、効果が限定的になるという点だ。

 大阪市では、ICT戦略室に加えて、市政改革室(当時)を巻き込む形で、業務の見直しを開始。積極的に踏み込んだ提案を行ってきたという。

 「市政改革室を中心とした業務改革の取り組みと連携し、オンライン化をベースとした業務プロセス改善を推進するなかで、不要な事務処理の削減を図り、コスト削減や働き方の質の向上を目指した」という。

 また、2020年度からは、ICT戦略室に業務改革部門を一元化。オンライン化を前提とした業務改革に取り組むほか、大阪市のICT戦略本部会議を通じて、トップダウンの指示により、各部門が業務改革に主体的に取り組めるようにし、現場での課題の洗い出しをさらに促進しているところだという。

 「コロナ禍において、現場でも三密を回避できるように業務を改革したいという機運が高まっている。民間では、ITを活用したサービス提供や業務改善が広まるなかで、行政サービスが遅れていることを実感したという現場の声もある。こうした現場職員の姿勢も、今後のオンライン化の促進に生かしたい」とする。

「次期電子申請システムの導入」と「BPRによる業務の見直し」という2点で解決する方針を打ち出す

デジタル手続法が自治体システムのオンライン化の追い風に

 政府は、2019年5月にデジタル手続法を成立させた。

 ここでは、情報通信技術を活用して、行政手続きなどの利便性の向上や、行政運営の簡素化、効率化を図るために、「行政のデジタル化に関する基本原則および行政手続きの原則オンライン化のために必要な事項を定める」ことと、「行政のデジタル化を推進するための個別分野における各種施策を講ずる」ことが打ち出されている。

 だが、自治体においては「努力義務」とされているため、行政サービスのオンライン化の原動力にはなりきってはいなかった。

 しかし江畑氏は、「デジタル手続法によって、IT業界が本気になって自治体のオンライン化を考え始めたことが追い風になっている」と語り、これが、大阪市行政オンラインシステムの実現において、隠れた要素になっていることを指摘する。

 実際、大阪市行政オンラインシステムの構築に向けた動きが徐々に本格化するなかで、デジタル手続法が成立。それによって、IT業界側からも提案が相次ぐようになったという。

 国内における行政サービスのオンライン化は、長年に渡る課題である。そして、何度も機運が盛り上がっては終息し、といったことの繰り返しであったともいえる。

 こうした動きにあわせてIT業界でも、さまざまな製品やサービスを用意するものの、継続的な投資が行われなかったり、簡易的な部分だけをデジタル化するだけにとどまったりする事例が多いため、IT業界側の姿勢にも減速感がみられる状況が何度となくあったのだ。

 大阪市の江畑氏も、「大阪市行政オンラインシステムの実現に向けて市場調査を行ったが、正直なところ、最初は見積もり依頼を取ることすら大変だった」と明かす。

 大阪市のように、先進的な自治体がやりたいという機能を提供できるベンダーやシステムインテグレータが少なく、IT業界側も、ここ数年は自治体側のオンライン化に対する本気ぶりが感じられないため、新たな機能を開発しないという「負のスパイラル」に陥っていたともいえる。

 こうした状況を打破するには、どちらかが動き出すことが原動力となる。自治体側の立場からすれば、いわば、体力がある自治体が負のスパイラルを突破していかなくてはならないだろう。その点では、今回の大阪市の新たな取り組みは、IT業界を本気にさせ、それをきっかけに日本全国の自治体がオンライン化による住民サービスの充実を促進する役割も担っているといえそうだ。

入札によってTKCをパートナーに選定、ASPサービスとして導入

 そうした流れのなかで、入札によって大阪市がパートナーに選んだのがTKCであった。

 「当初は、自前のサービスとして構築してもいいと思うほど、新たな機能を盛り込むことを計画していた。それをASPサービスとして導入することに決めたのは、TKCが一緒になって機能を開発し、住民サービスや業務の改善につなげる姿勢を持っていたこと。そして、その成果がパッケージとして、全国の自治体における行政サービスの向上と効率化につながると考えたため」と、江畑氏は語る。

 総合評価型一般競争入札によって4社のなかからTKCが選択され、2019年8月に契約を締結。大阪市と共同で、これからの時代に求められる行政手続きのオンライン化と、それを支援するプラットフォームとして、スマート申請システムの研究・開発を共同で進めていった。

 大阪市行政オンラインシステムは、システム環境構築で1億5000万円、サービス利用料および業務改革支援などで年間8600万円という予算規模であり、今後、改修や業務システム連携などの投資が見込まれている。

 大阪市とTKCが契約を締結したのは2019年8月。それから、サービス開始となった2020年8月までの期間は1年間。これでも、「新型コロナウイルスの感染拡大の影響で若干遅れた」とするほどのスピード感を持ってサービスが構築されたことは驚きだ。

 「できれば、2020年4月からのサービス開始ができないかと思っていた。ユーザーインターフェイスひとつをとっても、毎週の会議のなかで提案し、翌週には改善案を提示してもらうということの繰り返しだった。新たな機能についても、アジャイル型の開発によって、迅速に実装してもらうことができた。また、月1回、ブレーンストーミングの場を設けて、さまざまな意見を言えるようにした」のだという。

 また、「コロナ禍で移動制限がかかるなかで、途中からはウェブに移行したが、迅速な対応は変わらなかった。タイトなスケジュールとコロナ禍において、1年間という期間でサービスを開始できたのは、TKCの開発チームの努力が大きい。フットワークの軽さはこれまでに経験したことがないほどであった。TKCとの協業でなかったら実現できなかったかもしれない」と、江畑氏は振り返る。

 TKCでは、全国を対象にクラウドサービスの共同利用を可能とする「TASKクラウド」シリーズを提供しており、2019年10月には、開発部門において、デジタル・ガバメントシステム開発センターを新設。「TASKクラウド証明書コンビニ交付サービス」や「TASKクラウドかんたん窓口システム」など、行政サービスのデジタル化を支援する各種ソリューションの企画、開発を加速させているところだ。

 そして、大阪市行政オンラインシステムにおいて活用している「TASKクラウドスマート申請システム」は、大阪市が求めた最新鋭の機能を搭載するとともに、さまざまな手続きにも対応できるクラウドサービスとしてパッケージ化。引き続き、大阪市と共同で開発を続け、2021年春までの完成を目指す。さらに、その後も機能を強化しながら、2025年までに100自治体への導入を目指すという。

「いまはスタートラインに立ったところ」

 大阪市では今後、大阪市行政手続きオンライン化推進計画で示した3段階目の、「システム間連携・証明書などの電子交付の実現」へとフェーズを進めることになる。ここでは、住民が申請したデータを、住民情報や税務、福祉などの基幹システムとの連携し、窓口業務の一層のデジタル化を実現することを目指す。

 「システム間連携を進めることで審査書類が削減でき、業務負荷をさら軽減できるが、最大のメリットは申請から処理までの時間が短縮され、住民への交付や対応が早くなるという点にある」とする。

 電子交付の実現については、社会へのデジタル実装も視野に入れながら進めていくことになりそうだ。大阪市が電子交付のサービスを提供しても、提出先となる企業や団体などが交付された電子書類に対応していなければ、活用が限定的になるからだ。

 だが逆の観点からみれば、大阪市が電子交付の準備をしていることが、企業などにおいて、電子証明書などを活用する基盤づくりを促すきっかけになるともいえるだろう。

 なお大阪市は、2025年までに約1500の手続きをオンライン化する予定だ。これは全手続きの半数程度を占めるという。

 「3400の手続きのうち約半数が、年間の申請件数が5件未満のものである。しかも0件というものも多い。それらのすべてをオンライン化するメリットがどこまであるのかといったことも検討していく必要がある。また制度の見直しによって、手続きを廃止していくというものもあるだろう」とする。

 オンライン化する手続きの種類では半分でも、申請件数という観点からみれば、大部分をカバーするといえるかもしれない。

 しかし、その一方でこうも語る。

 「コロナ禍においては、これまでは申請が少なかった手続きが増加しているという動きもある。0件だからオンライン化しないということではなく、なにを優先すべきかという観点から、手続きのオンライン化を進めていきたい」と述べた。

 さらに、オンライン手続きの拡大だけでなく、区役所窓口での効率化にも取り組む。デジタルデバイスを活用して、簡単な質問に答えることで、必要な手続きが検索できる機能や、住所などを申請書に何度も書く手間を省くことができる機能、来庁予約機能などを提供する予定であり、窓口における申請漏れの防止や、申請に要していた時間および待ち時間の短縮など、区役所窓口での利便性向上も図っていくという。

 江畑氏は「コロナ禍において、行政サービスに対するニーズも変化してきている。また、今後のニューノーマル社会においては、手続きの簡素化や効率化は住民サービスの向上に直結すると考えている。今後も、継続的に大阪市行政オンラインシステムを利用してもらうために、3~4カ月に1回は細かい改良を行い、さらに、大きな改善も年1回のペースで行いたい。いまは、スタートラインに立ったところという気持ちが強い」と語る。

 大阪市行政オンラインシステムは、住民の利便性向上と、職員の事務処理の効率化というメリットを生みながら、ユーザーエクスペリエンスを重視した住民が使いやすいサービスを目指して、さらに進化が続くことになる。