大河原克行のキーマンウォッチ

「クラウドビジネスの成功モデルを確立したい」~富士通マーケティング・生貝健二社長 (3つの重点ポイントで展開、重点商品を明確にする)

3つの重点ポイントで展開、重点商品を明確にする

――2013年度のFJMの事業における、重点ポイントは何ですか。

「重点商品を明確化する中でも、中核になるのは統合業務ソリューションのGLOVIAシリーズ」と語る、生貝社長

 3つあります。ひとつは、現在、FJMが持っている商品やサービスを整理し、重点商品を明確にしていくという点です。社内に統合製品戦略本部を設置したのも、こうした狙いが背景にあります。

 そのなかでも中核になるのが、統合業務ソリューションのGLOVIAシリーズです。GLOVIAシリーズは上から下までラインアップされており、富士通が担当するようなグローバルアカウントの企業に対しても、GLOVIA SUMMITという製品でソリューション提案ができます。

 また、中堅・中小企業向けに最適な製品群として、GLOVIA smart きららをラインアップし、ここでは、販売管理、会計、人事給与の業務アプリケーションを提供しています。

 さらに、中堅ITインフラ・ソリューションサービスの「AZ(アズ)」シリーズも、当社ならではの提案だといえます。こうしたFJM内部で作ったものを、徹底して売る。自社で開発した製品を、中堅・中小企業市場において、シェアを取るための製品と位置づけて、パートナーと一緒に、一度重点的に売ってみようというわけです。

 パートナーのなかには、これまで自社で開発していた製品で展開してケースもあります。だが、これを機会にFJMの製品に移行していただき、継続的に提供するといったことも話し合っています。販売系のパッケージ製品の場合、細業種でみた場合には、若干カスタマイズが必要になる場合がある。そこにパートナーの力を生かしていただきたいと考えています。いずれにしろ、重点拡販商品といったものを用意し、それに向けてパートナーとともに展開していきたいと思っています。

 2つ目は、富士通グループのSE会社が持っているパッケージのなかで、力があるもの、あるいは実績のあるものを重点的に仕込み、これを全国規模で展開していくという取り組みです。

 富士通のSE子会社は、現在、富士通システムズ・イーストと富士通システムズ・ウエストへと統合し、全国のSE子会社が持っていた製品を統合する作業がはじまっています。そのなかには、中堅・中小企業向けの主力商品に育てあげたいというものがある。

 まだ、確定した商品はありませんが、SE会社が持つソリューションのなかから、FJMのリソースやパートナーを通じて販売していくといった展開ができないか、あるいはクラウドサービスとして展開していけないか、ということを話し合っている段階です。

 これは、できるだけ早いうちに立ち上げたいですね。上期中には、1、2本をリリースできるようにしたいと考えています。

(大河原 克行)