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次世代プライベートクラウド「VCF9」リリース VMwareの“メインフレーム化”に対する選択は

簡単に利用できる代替ソリューションはない……

 VMwareが市場でその地位を維持しているのは技術的な優位性からだ。VCFのファイバーチャネルサポート、ソフトウェア定義ネットワーキング(NSX)、統合管理(vCenter)、高可用性、ライブマイグレーション、災害復旧など包括的な機能を持つ製品は、他には見当たらない。

 Data Center Intelligence Groupの主席アナリスト、Jerome Wendt氏は、VMwareを「メインフレーム」に例え、「利用できる顧客は、資金そして特定のニーズがある企業に限定される」(TechTargetへのコメント)とする。GartnerのWarrilow氏も、VMwareをメインフレームに例え、「信頼性、ミッションクリティカル、脱却が難しい」(CIO.comへのコメント)と類似点を挙げている。

 Warrilow氏はGartnerのイベントで、2027年10月にvSphere 8の通常サポートが終了することを指摘し、「どうするかを決めていないとはいえ、バージョン9にアップグレードするということは避けたいはず」と語った。

 そして、簡単に利用できる単一の代替ソリューションがないこと、約70%の顧客がハイパーコンバージドインフラに消極的であることなどから、「この部屋にいるほぼ全ての皆さんが、"マルチハイパーバイザー"になるだろう」と予想した。

 マルチハイパーバイザーになったところで、管理レイヤーやプラットフォーム間の一貫性確保などが求められる。簡単に脱却できないのはメインフレームと同じだ。

 どの選択肢を選んでも簡単ではないが、それでもWarrilow氏は長期的にVMwareからの移行を検討しておくこと、”次のVMware”に備えるようアドバイスしている。BroadcomのVMwareの買収が成功したとなると、市場を支配する他のIT製品でも同じようなことが起こりうる、というのだ。

 「CIOへの教訓として、これは始まりに過ぎない」とWarrilow氏は警告している。